【日本バスケットボール協会認定登録コーチも務める栄養コンシェルジュが監修】ジュニアアスリートがパフォーマンス発揮に欠かせない栄養【バスケットボール編〜vol.1】

【日本バスケットボール協会認定登録コーチも務める栄養コンシェルジュが監修】ジュニアアスリートがパフォーマンス発揮に欠かせない栄養【バスケットボール編〜vol.1】

2ッ星栄養コンシェルジュ®、日本バスケットボール協会認定登録コーチの袴田雅江です!
私は小学生でバスケットボールを始め、中学、高校、専門学校とバスケットボール部に所属し、今も現役でチームに所属しています。
私の娘もバスケットボールを始めたことで、ジュニアアスリートが最高のパフォーマンスを発揮するための食事(栄養)に興味を持ち、娘と共に日々食事管理に取り組んでいます。
今回はバスケットボールを頑張るジュニアアスリートが、パフォーマンス発揮のために摂取したい栄養成分についてご紹介します。

ジュニアアスリートは成長期真っただ中!ジュニアアスリートの特徴と注意点

ジュニアアスリートとは小学4年生〜中学3年生で競技スポーツに取り組んでいる子ども達のことを言います。
この時期は成長期真っただ中であり、男女共に身長が急激に伸び、体重が増えるといった身体の成長が著しい時期です。

特に9~12歳頃はゴールデンエイジと呼ばれ、身体の神経系の発達がほぼ完成する時期です。
思い描いた通りに身体を動かすことができたり、今まで出来なかったことが突然できるようになるなど、スポーツにおける複雑な動きを見ただけで出来るようになる「即座の習得」時期と言われています。

また、12〜15歳頃はポストゴールデンエイジと呼ばれ、運動神経の成長が落ち着く時期と言われています。
そのため、ゴールデンエイジで身につけた技術を維持・向上するための反復練習や、バスケットボールの基本動作(パス、ドリブル、シュート、ディフェンス、オフェンスetc…)の質をさらに高めていく練習が重要とされています。

練習だけではなく、心身共に成長するために必要なのが休養です。特に睡眠が大切で、これは夜寝てる間に成長ホルモンが分泌され、骨や身体が作られるからです。
また、オーバーワーク(過剰なトレーニング)により起こるスポーツ障害(疲労骨折、オスグッド病、シンスプリントetc…)にも注意しましょう。

そして、練習をして、適切な休養がとれたとしても、心身の発達に必要なのは食事(栄養)です

次の項目でジュニアアスリートが摂取しておきたい栄養素について解説します。

バスケットを頑張るジュニアスリートに必要なおススメ栄養素!

ジュニアアスリートが身体を作るためには、五大栄養素を過不足なくバランスよく摂取することが基本となります。

バスケットボールは、ジャンプする、シュートを打つといった無酸素運動の特性と、様々なフットワークを使いながら長時間走り抜く有酸素運動の特性を合わせ持つ複合型運動です。

特に無酸素運動は糖質、有酸素運動は糖質や脂質が主なエネルギー源となるため、これら栄養素を意識して摂取するようにしましょう。

また、ジュニアアスリート期は成長期でもあるので、身体を動かしたり、支えたりするために必要な骨格筋や骨形成にも重要な栄養素であるたんぱく質とカルシウムの組み合わせは必須です。

たんぱく質は筋肉、ホルモン、血液の材料となる主要な栄養成分です。ケガ、骨折、成長期ではたんぱく質要求量が増えるので、毎食たんぱく質を欠かさず摂取するように心掛けましょう。

カルシウムを含む牛乳や乳製品は、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸が豊富なのでGIPというホルモンの分泌が促されます。このホルモンは、身長を伸ばす、骨折の治療、骨材料の供給といった骨に良い働きをします。
※ GIPホルモン→飽和脂肪酸など食事摂取により分泌され、骨芽細胞に働きかけることで骨形成を促すホルモンです。


いっぱい食べて頑張ってほしい!と思うあまり、過食させてしまうと消費エネルギーよりも摂取エネルギー量が上回ります。
この状態が続いてしまうと、体脂肪が増え、必要以上に体重が増えてしまいケガに繋がるおそれがあるので気をつけたいですね。

以上のことから、子どもにあった食事量を無理のない範囲でバランス良く食べるように工夫しましょう。

【ジュニアアスリートに必要な栄養素】
☑ 糖質(炭水化物)→ 米、パン、めん類、いも類、もちなど
☑ たんぱく質→ 肉、魚介類、卵、肉加工品、練り製品、大豆製品など
☑ 脂質→ 油脂類、ナッツ類、たんぱく質に含まれている油
☑ ビタミン・ミネラル→ 野菜、海藻、キノコ類
☑ カルシウム→ 干しエビ、小松菜、牛乳、チーズなどの乳製品

栄養コンシェルジュが量を確認!必要栄養摂取量をみてみよう!

それではジュニアアスリートに必要な栄養摂取量を確認していきましょう。
下記の量は基準となるもので、子どもの食嗜好、体格や運動量をみながら調整してみてください。

☑ 1日当たり推定エネルギー必要量
男子:2,100~3,150キロカロリー
女子:1,900~2,550キロカロリー



☑ 糖質の1日必要量
男女ともに…1日の食事割合が50~65%
※例えば1日3,150キロカロリー必要で、糖質エネルギーを60%と仮定した場合、1日473gの糖質が必要です。これはコンビニオニギリであれば9~10個分の糖質量となります。

☑ たんぱく質の1日必要量
男子:80~158g
女子:95~128g


☑ 脂質の1日必要量
男子:56.7~78.4g
女子:54.1~59.7g

☑ カルシウムの1日必要量
男子:650~1,000mg
女子:750~800mg


上記の数値は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」:8~17歳の身体活動量Ⅲから抜粋

具体的な調理方法や食べ方については「ジュニアアスリートがパフォーマンス発揮に欠かせない栄養【バスケットボール編〜vol.2】」 で紹介いたします。

ジュニアアスリートがパフォーマンス発揮に欠かせない栄養のまとめ

ジュニアアスリートは身体の成長も、技術の成長も著しい時期です。

試合で最高のパフォーマンスを発揮し、最後の1秒まで走り抜くために必要なのは日々の練習+休養+栄養です。このうち、どれか一つでも欠けてしまうと、身体づくりやパフォーマンスを発揮することが難しくなります。

本記事では特に摂取したい栄養素や栄養摂取量について紹介しました。ジュニアアスリートの皆様やサポートする皆様にとって本記事が参考になれば幸いです。

次回はパフォーマンス発揮のための具体的な食事例をご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました!

【TEXT:袴田雅江、編集:廣瀬直樹】

袴田 雅江

袴田 雅江

フィットネスインストラクター、2ツ星栄養コンシェルジュ®、シナプソロジー®アドバンス教育トレーナー、介護予防運動指導員
【プロフィール】専門学校を卒業後、スポーツクラブで約5年間勤務し、現在はフリーランスインストラクターとして活動中。現在までに約10万人にスタジオレッスンを指導した実績を持つ。運動指導をする中で栄養の大切さと重要性に気づき、栄養コンシェルジュ®の資格を取得。取得後は市民講座や栄養セミナーなどを開催し、オンラインでの栄養コンサルティングも行う。
栄養の知識を誰にでもわかりやすく、すぐに使えるように伝えることをモットーとしている。

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