カフェインは筋トレの味方か?筋力と持久力への効果を科学的に検証【筋トレ・サプリメント最新 栄養学 論文情報】

カフェインは筋トレの味方か?筋力と持久力への効果を科学的に検証【筋トレ・サプリメント最新 栄養学 論文情報】

「あと1回」が踏ん張れる…その秘密は、“カフェイン”にあるかもしれない。最新の統合研究では、カフェインが筋力や筋持久力の向上に効果的であることが示されている。ただし、効果を引き出すには摂取量やタイミング、体質への理解が欠かせない。クライアントの成果を高めるには、こうした栄養科学に基づいた知識がトレーナーにも必要だ。
本記事では、カフェインの正しい活用法を科学的に解説。実践力を高めたい方は、現場で使える栄養学が学べる「栄養コンシェルジュ」資格にも注目してほしい。

正しく使えば、カフェインは運動パフォーマンスを高める

カフェインと聞くと、眠気覚ましや集中力アップのイメージを持つ人が多い。しかし、近年の研究では、適切に摂取すればカフェインは「筋力」「筋持久力」を高める効果があることが示されている。

これは、筋力アップや減量指導を行うフィットネストレーナーにとって、無視できない情報である。特に、科学的根拠に基づいたサプリメント活用の理解は、トレーナーとしての専門性を高め、クライアントへの的確なアドバイスにもつながる。

カフェインの基本作用とは

カフェインは中枢神経系を刺激する成分で、摂取後30〜60分で血中濃度がピークに達する。よく知られる覚醒作用だけでなく、運動パフォーマンスにおいても注目されている。

カフェインはアデノシン受容体(疲労物質の情報伝達を行う)をブロックし、運動中の疲労感を軽減させる。また、交感神経を刺激することでアドレナリン(興奮ホルモン)の分泌を促進し、心拍数や血流量を高め、筋肉への酸素供給が改善されることも報告されている。

その結果、瞬発的な「筋力」だけでなく、繰り返し動作を支える「筋持久力」にもプラスの影響を及ぼす可能性があるのだ。

たんぱく質や炭水化物と異なる「パフォーマンス系サプリ」の立ち位置

たんぱく質や炭水化物は、筋肉の構成やエネルギー源としての役割が中心である。一方、カフェインは直接的に栄養素として使われるわけではなく、「神経系を通じてパフォーマンスを引き出す」働きを持つ。言い換えれば、筋肉を“育てる”栄養素ではなく、“引き出す”成分である。

トレーナーとしては、このように作用機序が異なることを理解し、他の栄養戦略やトレーニングとどう組み合わせるかを考える必要がある。

クライアントが「もっと追い込みたい」「あと数回頑張りたい」と考える場面では、カフェインの活用がトレーニング効率を高める一助になるだろう。

最新メタ分析が示したカフェインの「有効性」と「注意点」

2024年に発表されたHossein Taghizadeh Bilondiらの論文では、過去の複数のメタアナリシス(質の高い研究の統合分析)を統合して、カフェインの筋力・筋持久力への効果が検証された。

分析の結果、以下のような知見が得られている。

・筋力に対して中程度の向上効果がある

具体的には、ベンチプレスやスクワットなど最大筋力を測る試験で、カフェインを摂取したグループは平均して3〜5%ほどの向上が見られた。

・筋持久力にはより明確な効果がある

高回数・中負荷の反復動作を行う試験では、8〜12%のパフォーマンス向上が報告されており、「あと1〜2回多くできる」程度の体感と一致する。

・効果量は摂取量とタイミングに依存する

おおむね体重1kgあたり3〜6mgの摂取が効果的とされており、体重60kgの人であれば180mg〜360mg(例:コーヒー2〜3杯、エナジードリンク1〜2本分)程度が目安である。

一方で、カフェイン耐性のある人では効果が出にくい場合があり、日常的に多量のカフェインを摂取している場合は、事前の「カフェイン抜き期間」を設けた方が効果が出やすいという報告もある。

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現場でどう使う?カフェイン活用のポイント

トレーナーがクライアントにカフェインをすすめる際には、以下のような注意点と実践ポイントを押さえておきたい。

・目的に合わせて使い分ける

短時間・高強度のトレーニングでは「筋力アップ」、中強度・長時間の有酸素運動では「筋持久力アップ」が期待できる。

・摂取タイミングは運動の30〜60分前が理想

血中濃度のピークに合わせることで、最大限の効果が得られる。

・副作用に注意する

心拍数の上昇、不眠、胃腸への刺激などの副作用が出やすい体質の人には慎重な対応が必要である。特に午後以降の摂取は睡眠に影響を与える可能性がある。

・食品とのバランスを考える

カフェインを含む飲料やサプリメントと、他の栄養摂取のタイミングがぶつからないように調整する。カフェインが吸収を妨げる栄養素も存在するためである。

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栄養を「運動の武器」として使いこなす時代へ

サプリメントは、トレーニング効果を最大化するための“ブースター”である。しかし、それは正しく使った場合の話だ。カフェインにしても、ただ摂れば効果が出るものではない。量・タイミング・個人差を考慮し、科学的根拠に基づいた活用が求められる。

トレーナーにとって、栄養学は単なる知識ではなく、「クライアントの変化を引き出すための武器」となる分野である。現場で活かせる栄養学を体系的に学びたい方は、「栄養コンシェルジュ」資格も有効な選択肢となるだろう。

筋トレ、食事、そしてサプリメント。これらを総合的に設計できる力が、現代のトレーナーには必要だ。

「何を食べるか」だけでなく、「どう活かすか」。それが、プロフェッショナルとしての違いを生み出す。

参考文献:Hossein Taghizadeh Bilondi et al. Heliyon. 2024 Jul 25;10(15):e35025. The effect of caffeine supplementation on muscular strength and endurance: A meta-analysis of meta-analyses

ぜひ一次情報となる論文を調べていただき、皆様それぞれの考察と解釈で科学的根拠(エビデンス)を応用するきっかけになれば幸いです。

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