ヴィーガン(菜食主義)のビタミンB12不足がパフォーマンスを脅かす…トレーナーが知るべき栄養管理のポイント

ヴィーガン(菜食主義)のビタミンB12不足がパフォーマンスを脅かす…トレーナーが知るべき栄養管理のポイント

「最近、ヴィーガンのクライアントが疲れやすい」「トレーニングの効果が出にくい」そんな現場の声は珍しくない。最新の国際的な研究で、植物性食品のみを摂るヴィーガン成人の多くがビタミンB12不足やその予備軍であることが判明した。ビタミンB12の欠乏は酸素運搬力や回復力を低下させ、筋力アップや脂肪燃焼の効率を著しく損なう。だが、この問題を改善できるかどうかは、トレーナー自身の栄養知識と指導力にかかっている。
現場で即実践できる視点を身につけることが、成果を左右する鍵である。

基礎知識:なぜビタミンB12が重要なのか

ビタミンB12は赤血球の生成や神経機能、エネルギー代謝に不可欠な水溶性ビタミンである。

不足すると貧血や息切れ、慢性的な疲労感、集中力の低下が起こりやすく、トレーニングの質が落ちる。赤血球が酸素を運ぶ効率が落ちれば、有酸素運動で脂肪を燃やす効率も下がり、筋肉量を増やすための高強度トレーニングにも支障が出る。

ビタミンB12は肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれるが、植物性食品にはほとんど含まれない。そのため、動物性食品を完全に避けるヴィーガンは、食事だけでは必要量を確保しづらいのが現実だ。

不足がもたらす具体的な問題と代謝の関係

メタ解析の結果、成人ヴィーガンの多くが「機能的ビタミンB12不足」の状態にあることがわかった。

血液検査でホモシステイン(アミノ酸代謝の副産物)が高値を示すケースも目立ち、神経や血管の健康に悪影響を与えるだけでなく、疲労や持久力低下の原因となっている。

たとえば、クライアントがショートケーキ1個分(約350キロカロリー)を消費するために有酸素運動をしても、酸素運搬が滞っていれば脂肪燃焼の効率は下がる。結果として、同じ運動量でも効果が得られにくく、モチベーションの低下やリバウンドにつながるリスクが高まる。

研究が示す事実:栄養知識が成果を変える

国際的なシステマティックレビューでは、血中ビタミンB12濃度が低い成人ヴィーガンが多い一方、サプリメントや強化食品を活用している層では血中濃度が安定し、パフォーマンスや体調維持が良好であることが確認された。

また、栄養知識を持つ人は、トレーニング後の栄養補給やたんぱく質摂取のタイミングを適切に管理できていた。

重要なのは、クライアント本人よりも、指導するトレーナーの知識の有無が成果を大きく左右しているという点だ。

適切な知識を持つトレーナーの下では、クライアントがB12やたんぱく質を確保しながら安全に減量・ボディメイクを進められていた。逆に、知識不足の指導下では、疲労や集中力低下、筋力低下を招き、目標達成が遠のくケースが多く見られた。

現場で使える実践アドバイス

・ビタミンB12補給の具体策を提案する

強化植物ミルクやサプリメントを活用し、1日あたり2.4マイクログラム(成人推奨量)を満たすよう指導する。

・定期的な血液検査を勧める

ビタミンB12とホモシステインの値を把握し、不足を早期発見する。

・疲労や集中力低下の背景を探る

運動強度や睡眠だけでなく、栄養状態を疑い、必要に応じて医療機関や栄養士と連携する。

・総合的な栄養管理を行う

ビタミンB12だけでなく、鉄、カルシウム、たんぱく質など不足しやすい栄養素も合わせて補給する指導を行う。

これらの取り組みは、単に「不足を補う」だけでなく、クライアントの成果を引き上げ、長期的な信頼関係を築くための基盤となる。

栄養学の学びがトレーナーの価値を高める

ヴィーガンをはじめ、多様な食習慣を持つクライアントを安全かつ効果的に指導するには、トレーナーが栄養学を体系的に理解していることが不可欠だ。ビタミンB12不足のように目に見えにくい問題を早期に見抜き、科学的なアドバイスを行えることが、クライアントの成果と健康を守る決め手となる。

そのためにも、最新の栄養学を体系的に学ぶ機会を積極的に持つことが重要である。「栄養コンシェルジュ®」などの専門講座を通じて、科学的な知識と実践的な指導スキルを身につけることは、トレーナーとしての信頼性と競争力を高める近道となるだろう。

参考文献:Ali Niklewicz et al. Nutr Bull. 2024 Dec;49(4):463-479. A systematic review and meta-analysis of functional vitamin B12 status among adult vegans

ぜひ一次情報となる論文を調べていただき、皆様それぞれの考察と解釈で科学的根拠(エビデンス)を応用するきっかけになれば幸いです。

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