私たちの主なエネルギー源である糖質。でも、そのまま体に吸収されるわけではありません。ごはんやパンを口にした瞬間から、体内では驚くほど繊細な分解と吸収の旅が始まっています。唾液アミラーゼや膵液アミラーゼによる分解、微絨毛での膜消化、そしてSGLTやGLUTといった輸送体の働き。こうした一連のプロセスを知ると、「糖質=太る」ではなく「糖質=必要で賢いエネルギー」だと気づくはず。
今回は、糖質の吸収メカニズムをやさしく解説しながら、栄養を学ぶ面白さをご紹介します。
ごはんを食べたらどうなる?体の中の 糖質の旅
「白ごはんを食べたら元気が出た!」
そんな経験、きっと誰にでもあるはずです。糖質は私たちの主要なエネルギー源。けれど、口に入れた瞬間からすぐエネルギーになるわけではありません。実はその裏では、私たちの体の中で緻密な〝変換作業〟が行われています。
この糖質の旅路は、まず口の中から始まります。
ごはんやパンなどに含まれるデンプンは、唾液に含まれる「唾液アミラーゼ」によって、小さなかたまり(デキストリンやマルトース)へと少しずつ分解されます。つまり、「噛むこと」は、糖質の消化にとって重要なステップなのです。
その後、食べ物は胃を通って小腸の最初の部位「十二指腸」へ。ここでは膵臓(すいぞう)から分泌される「膵液アミラーゼ」が、さらに細かく糖質を分解していきます。
しかし、ここまで分解されたものはまだ〝半製品〟。吸収可能な小さなサイズの「単糖類(グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース(脳糖)、フルクトース(果糖)など)」にまで仕上げる必要があります。
「微絨毛膜」が最後の仕上げを担う場所
小腸の内側には、無数の〝ヒダ〟が存在し、その表面はさらに「微絨毛(びじゅうもう)」という極めて細かい構造で覆われています。
ここに存在するさまざまな「二糖類分解酵素」が、最後の分解を担います。この段階を「膜消化」と呼び、糖質の最終処理場ともいえる大事な工程です。
ここで初めて、私たちの体は糖を“使える形”にまで分解し終えます。
糖はどうやって体内に“取り込まれる”のか?
分解された単糖類は、次に「吸収」というプロセスを経て、腸の細胞内へと取り込まれていきます。
グルコースとガラクトースは「SGLT1(ナトリウム依存性グルコース輸送体)」というトランスポーターを使って、ナトリウムと一緒に能動輸送(のうどうゆそう)されます。
一方、フルクトースは「GLUT5」という専用の輸送体を使って、促進拡散(そくしんかくさん)というやり方で細胞内へとスムーズに取り込まれます。
そして、腸の細胞に取り込まれた糖は、最終的に「GLUT2」という輸送体を通じて、促進拡散によって絨毛の粘膜固有層へ移行し、毛細血管にへと送り出されます。
ここまでくれば、糖はついに全身の細胞へエネルギー源として届けられるのです。
ただ食べるだけでなく、「何をどう吸収しているのか?」まで知ることで、食事の見え方は大きく変わります。
栄養を知るということは、自分の体と仲良くなること。
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