令和4年2月27日は第30回はり師・きゅう師国家試験でした。
受験された方々お疲れ様でした。
鍼灸師(はり師・きゅう師)とはどういったものか、資格を取得することで何ができるようになるかなどをまとめています。
まず鍼灸師という資格はなく、国家資格であるはり師やきゅう師の資格を取得して治療を行います。
はり師ときゅう師はそれぞれ別の国家資格ですが、両方の資格をセットで取得して鍼灸師として働く方が多いようです。
では受験資格についてですが、残念ながらはり師やきゅう師の国家試験は誰でも受験できるわけではありません。
はり師やきゅう師の国家試験を受験するには以下のような受験資格が必要になります。
・はり師養成施設、きゅう師養成施設を卒業して必要な知識及び技能を修得した人(あるいは卒業・取得見込みの人)
つまり、大学や専門学校に通い所定のカリキュラムを学び、知識やスキルを身につける必要があります。
次に勉強する内容についてです。
はり師やきゅう師の国家試験では以下のような科目から出題されます。
①医療概論
医療保険制度や介護保険制度にはどういった内容なのか、といったようなことを学びます。
②衛生学・公衆衛生学
健康とはどういったものか、健康に影響を及ぼす食品や環境にはどういったものがあるか、といったようなことを学びます。
③関係法規
はり師が・きゅう師が理解しておくべき法律や罰則について学びます。
④解剖学
細胞や臓器といった人体の仕組みはどのように成り立っているのか、それぞれが身体に及ぼす作用にはどういったものがあるか、といったようなことを学びます。
⑤生理学
体内で起こる生理的な反応にはどのようなものがあるか、人体はどのように生命維持をしているのか、といったようなことを学びます。
⑥病理学概論
細胞障害や炎症とはどういったものか、病気の要因にはどのようなものがあるか、といったようなことを学びます。
⑦臨床医学総論
診察の方法や治療方法の違いやポイント、患者の心理といったようなことを学びます。
⑧臨床医学各論
一般内科から神経内科、脳神経外科など診療科ごとに学びます。
⑨リハビリテーション医学
リハビリテーションの概念とは、障害におけるアプローチや検査はどのように行うか、といったようなことを学びます。
⑩東洋医学概論
東洋医学の特徴や思想はどのようなものか、経絡や望診といった東洋医学の基本について学びます。
⑪経絡経穴概論
経脈や経穴の位置や内臓との関連について学びます。
⑫東洋医学臨床論
各種症状における鍼灸療法について学びます。
①~⑫の科目ははり師・きゅう師の国家試験における共通科目です。
この共通科目にはり師国家試験であれば「はり理論」を、きゅう師国家試験であれば「きゅう理論」が追加されます。
①独立開業ができる
鍼灸院を開くことができます。
最近では患者様の自宅に鍼灸師が訪問して施術を行う訪問治療を専門にする鍼灸師の方もいるようです。
②鍼(はり)や灸(きゅう)を用いた治療が可能
体のツボに刺激を与えることで自然治癒力を高めることができます。
・鍼療法:鍼(はり)を用いてツボに刺激を与える
・灸療法:灸(きゅう)を用いてツボに熱刺激を与える
ただし、薬や手術などの医療行為は認めらていません。
最近ではスポーツ鍼灸や美容鍼灸など活躍の場が広がっています。
ここで仕事の内容や名前が似ている他の資格と鍼灸師にはどのような違いがあるのか確認してみましょう。
鍼灸師(はり師・きゅう師)とあん摩マッサージ指圧師はどちらも国家資格となります。
はり師:鍼(はり)を用いて施術
きゅう師:灸(きゅう)を用いて施術
あん摩マッサージ指圧師:手技(マッサージ)を用いて施術
患者様に対して何を用いて施術を行うのかが異なるということです。
また鍼灸師(はり師・きゅう師)とあん摩マッサージ指圧師はどちらも開業権が認められています。
鍼灸師(はり師・きゅう師)と柔道整復師はどちらも国家資格となり、開業権を持っていることも共通点です。
鍼灸師:鍼や灸によって体のツボに刺激を与えることで自然治癒力を高める
柔道整復師:骨折や捻挫に対して固定や整復によって治療を行う
大まかに言うと、慢性の痛みに対応できるのが鍼灸師、急性のケガにも対応できるのが柔道整復師、といったところでしょうか。
鍼灸師(はり師・きゅう師)は身体についての様々な知識やスキルを学び、習得することで受験できる国家資格です。
鍼(はり)や灸(きゅう)を使ってクライアントの痛みにアプローチします。
人の痛みに寄り添うお仕事をしたい方は目指してみてはいかがでしょうか?
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