
2026年7月26日は、夏の「土用の丑の日」です。うなぎは夏バテ対策の代表的な食品として親しまれていますが、食べるだけで夏の不調を防げるわけではありません。うなぎの蒲焼き100gには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンDなども摂取できます。
一方、食物繊維はほとんど含まれず、蒲焼きのたれやごはんを含めた一食全体では、エネルギー量や食塩摂取量への配慮も必要です。
本記事では、うなぎの栄養的特徴、「夏バテに効く」という表現の捉え方、ダイエット中の食べ方、梅干しとの食べ合わせまで、食品成分表や公的資料に基づいて解説します。
1.2026年の土用の丑の日は7月26日
2026年夏の土用の丑の日は、7月26日です。
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前に設けられる期間を指します。その期間中に、十二支で日を数えた「丑の日」が巡ってくる日を土用の丑の日と呼びます。
土用は夏だけにあるものではありませんが、現在では「夏の土用の丑の日にうなぎを食べる」という習慣が広く定着しています。2026年6月に農林水産省が公開した食文化に関する資料でも、土用の丑の日にうなぎ弁当が店頭へ並ぶ光景が、夏を代表する行事食の一つとして紹介されています。
うなぎを食べる習慣の起源には、「う」のつく食品を食べる風習や、江戸時代に平賀源内が販売促進を提案したとする説などがあります。ただし、特定の人物や出来事だけを起源として断定できる十分な一次資料は確認されていません。
土用の丑の日は、うなぎを特別な食品として過大評価する日ではなく、日本の食文化と栄養について考える一つの機会と捉えるのが適切でしょう。
2.うなぎの蒲焼きに含まれる栄養成分
文部科学省の食品成分データベースによると、うなぎの蒲焼き100g当たりには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれています。
代表的な栄養成分は次のとおりです。
栄養成分うなぎ蒲焼き100g当たり
エネルギー:285kcal
たんぱく質:23.0g
脂質:21.0g
ビタミンA:1,500μgRAE
ビタミンB1:0.75mg
ビタミンB2:0.74mg
ビタミンD:19.0μg
カルシウム:150mg
亜鉛:2.7mg
食塩相当量:1.3g
※可食部100g当たり。商品、養殖条件、調理法、たれの使用量などによって実際の数値は変わります。
うなぎの特徴は、主菜としてたんぱく質を摂取できるだけでなく、脂溶性ビタミンであるビタミンAやビタミンD、糖質のエネルギー代謝に関わるビタミンB1なども含むことです。
ただし、栄養素は多く摂ればよいわけではありません。特定の食品に健康管理を依存するのではなく、食事全体の中で位置づける必要があります。
3.うなぎは夏バテ対策になるのか
「うなぎを食べれば夏バテを防げる」と表現されることがありますが、現時点で、土用の丑の日にうなぎを一食食べることで夏の不調を予防できると証明した、信頼性の高い臨床研究は確認できません。
一方で、うなぎはエネルギー、たんぱく質、脂質、ビタミンB1などを含みます。暑さによって食事量が減少している人にとっては、比較的少ない量からエネルギーや複数の栄養素を摂取できる食品の一つです。
ただし、一般に夏バテと呼ばれる状態には、食欲低下だけでなく、水分不足、睡眠不足、暑熱環境、生活リズムの乱れなどが複合的に関係します。うなぎだけで、これらの問題をまとめて解決することはできません。
夏の体調管理では、食事を欠かさないことに加え、こまめな水分補給、睡眠、休養、室温管理などを組み合わせることが基本です。農林水産省も、夏の健康管理では水分補給だけでなく、日頃の食事を整える重要性を示しています。
うなぎは「夏バテの特効食」ではなく、夏の食生活を支える選択肢の一つです。
4.うな丼・うな重だけで栄養バランスは整うのか
うな丼やうな重では、ごはんから糖質、うなぎからたんぱく質と脂質を摂取できます。うなぎに含まれるビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与するため、ごはんとうなぎの組み合わせには栄養学的な合理性があります。
しかし、うな丼だけで必要な栄養をすべて満たせるわけではありません。
うなぎの蒲焼きは食物繊維をほとんど含まず、ビタミンCの供給源にもなりにくい食品です。また、蒲焼き100g当たりの食塩相当量は1.3gですが、うな丼やうな重では、たれの使用量や汁物、漬物などによって一食の食塩量が増える場合があります。
野菜、海藻、きのこなどを使った副菜を組み合わせれば、食物繊維や不足しやすい栄養素を補いやすくなります。ただし、一食ですべてを完全に整える必要はありません。昼食にうな丼を食べた場合は、朝食や夕食を含めた一日の中で調整する方法もあります。
食事は一品ごとの採点ではなく、一定期間の食習慣として評価することが重要です。
5.ダイエット中のうなぎの食べ方
うなぎの蒲焼きは100g当たり285kcal、脂質21.0gであり、脂質とエネルギーを比較的多く含む食品です。
しかし、この数値だけを理由に、減量中の食事から除外する必要はありません。
体重管理に影響するのは、うなぎ一品のカロリーだけではなく、一定期間に摂取するエネルギーと消費するエネルギーの関係です。実際のうな重では、うなぎ本体に加えて、ごはんの量、たれ、付け合わせによって総エネルギー量が変わります。
減量中に食べる場合は、うなぎを禁止するのではなく、次のような調整が考えられます。
・ごはんを自分に必要な量へ調整する
・追加のたれを必要以上にかけない
・野菜を使った副菜を組み合わせる
・前後の食事も含めて一日の摂取量を考える
一方、運動量が多い人、身体を大きくしたい人、食事量が低下している人にとっては、エネルギーを確保しやすい点が利点になる場合があります。
同じ食品でも、対象者の目的によって評価は変わります。
6.うなぎと梅干しの食べ合わせは悪いのか
「うなぎと梅干しを一緒に食べると身体に悪い」という言い伝えがありますが、両者の組み合わせが健康被害を引き起こすという医学的根拠は確認されていません。
農林水産省も、うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いとする説に医学的根拠はないと明記しています。
由来については、梅干しの酸味によって食欲が増し、高価なうなぎを食べすぎないようにするための戒めだったとする説や、古い文献に記された別の食品との組み合わせが変化して伝わったとする説などがあります。ただし、いずれも由来を一つに確定できるものではありません。
食に関する言い伝えには、当時の生活環境や食文化を伝える価値があります。一方で、健康への影響を判断する場合は、伝統的な言説と科学的根拠を区別する必要があります。
「昔から言われている」という理由だけで食品を避けるのではなく、どのような根拠があるのかを確認する姿勢が大切です。
7.うなぎを「良い食品・悪い食品」で判断しない
うなぎは、たんぱく質や複数のビタミンを含む一方、脂質とエネルギーも比較的多い食品です。
ここから「栄養が豊富だからたくさん食べるべき」「脂質が多いから避けるべき」という、正反対の結論を導くこともできます。しかし、どちらも食品の一面だけを見た評価です。
栄養学では、食品そのものの成分に加えて、誰が、どのくらい、何を目的として食べるのかを考えます。
例えば、同じうな重でも、運動量の多いアスリート、減量中の人、食欲が落ちている高齢者では、適切な量や組み合わせが異なります。さらに、アレルギー、消化機能、既往歴、食習慣などによっても判断は変わります。
そのため、食品を単純に「良い・悪い」で分類するのではなく、特徴を理解したうえで目的に合わせて使うことが重要です。
うなぎを食べるかどうかではなく、どのように食生活へ位置づけるか。これが実践的な栄養学の視点です。
8.栄養情報を実践へ変えるために必要な視点
食品成分データベースを調べれば、うなぎに含まれるエネルギーや栄養素は誰でも確認できます。
しかし、数値を調べることと、目の前の人に適切な提案をすることは同じではありません。
「脂質が多いから控えましょう」と伝えるだけでは、食欲が低下している人には適切でない可能性があります。一方、「栄養価が高いから積極的に食べましょう」と一律に勧めれば、総エネルギー量や食塩摂取量への配慮が必要な人には合わない場合があります。
必要なのは、食品成分を覚えることだけではなく、消化吸収、代謝、活動量、身体状況、生活背景を関連づける力です。
正しい情報であっても、対象者や使い方を誤れば適切な栄養支援にはなりません。
情報が簡単に得られる時代ほど、「何を知っているか」だけでなく、その知識を誰に、いつ、どのように使うのかを判断できる専門性が求められます。
土用の丑の日とうなぎの栄養
2026年夏の土用の丑の日は7月26日です。
うなぎの蒲焼き100gには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれ、ビタミンA、B1、B2、Dなども摂取できます。
一方で、うなぎを一食食べるだけで夏バテを予防できるとする、信頼性の高い臨床的根拠は確認されていません。夏の体調管理には、日頃の食事、水分補給、睡眠、休養、暑さ対策を組み合わせる必要があります。
ダイエット中も一律に避ける必要はなく、うなぎ、ごはん、たれの量や前後の食事を目的に合わせて調整できます。
また、うなぎと梅干しの組み合わせが健康に悪いとする医学的根拠はありません。
食品を「良い・悪い」で判断せず、特徴を理解して人や目的に合わせることが、実践的な栄養学の基本です。
食品成分を知るだけで、栄養指導はできるでしょうか
うなぎのエネルギー量やビタミン量は、食品成分表を見れば確認できます。
しかし、実際の栄養支援では、その先が問われます。
減量中の人には、どの程度の量を提案するのか。
スポーツをする人には、ごはんとの組み合わせをどう考えるのか。
食欲が低下している人には、脂質やエネルギーの多さをどう評価するのか。
一人ひとりで異なる身体や生活を前にすると、食品の知識だけでは答えを出せない場面が少なくありません。
栄養コンシェルジュ®では、栄養素の名称や食品のカロリーを覚えるだけでなく、消化吸収、代謝、身体組成、生活習慣などを関連づけ、目的に合わせて栄養を提案する力を身につけます。
独自の食品カテゴリーマップ®を活用し、数多くの食品を単純な「良い・悪い」で分類するのではなく、主な成分や身体での役割から整理。対象者に必要な食品選択を、分かりやすく伝える方法を学びます。
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参考文献・公的資料
文部科学省.日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.魚介類/うなぎ/かば焼.食品成分データベース.
農林水産省.aff 2016年7月号「特集2 鰻」.
農林水産省.aff 2026年6月号「『中食』の今」.2026.
水産庁.ウナギをめぐる状況と対策について.
農林水産省.熱中症対策資料.
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所.「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンについて」.
※栄養成分値は可食部100g当たりです。実際の含有量は個体、養殖条件、調理方法、商品の重量、たれの使用量などによって異なります。
Q1.2026年の土用の丑の日は何月何日ですか?
2026年夏の土用の丑の日は、7月26日(日)です。土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前に設けられる期間で、その期間中に十二支の「丑」が巡る日を土用の丑の日と呼びます。土用は年4回ありますが、現在は夏にうなぎを食べる習慣が特に広く知られています。
Q2.うなぎの蒲焼き100gのカロリー・たんぱく質・脂質はどのくらいですか?
日本食品標準成分表によると、うなぎの蒲焼き100gには、エネルギー285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0gが含まれます。主菜としてたんぱく質を摂取できる一方、脂質とエネルギーも比較的多い食品です。実際の摂取量は、うなぎの大きさや調理法、たれ、ごはんの量によって変わります。
Q3.うなぎには、どのようなビタミンやミネラルが多く含まれますか?
うなぎの蒲焼きには、ビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンD、ビタミンEのほか、カルシウム、亜鉛、セレンなどが含まれます。特にビタミンAとDを多く含むことが特徴です。ただし、食物繊維やビタミンCの供給源にはなりにくいため、野菜や海藻、果物などを前後の食事で補う視点も必要です。
Q4.うなぎを食べれば夏バテを予防できますか?
うなぎを一度食べるだけで、夏バテを予防できるとはいえません。うなぎはエネルギー、たんぱく質、脂質、ビタミンB1などを含むため、暑さで食事量が低下した際の栄養補給には役立つ可能性があります。一方、夏の不調には水分不足、睡眠不足、暑熱環境、食欲低下など複数の要因が関係するため、食事・水分・休養を総合的に整えることが重要です。
Q5.うなぎと梅干しを一緒に食べると身体に悪いのですか?
うなぎと梅干しの組み合わせが健康被害を起こすという、確立された医学的根拠はありません。農林水産省も、両者の食べ合わせが悪いとする説に医学的根拠はないと説明しています。言い伝えには複数の由来がありますが、科学的な健康情報として評価する際は、伝承と医学的根拠を分けて考える必要があります。
Q6.栄養コンシェルジュ®は、栄養知識を学ぶだけの資格ですか?
いいえ。栄養コンシェルジュ®は、栄養素や食品の名称を覚えるだけでなく、消化吸収、代謝、身体組成、生活習慣を関連づけ、対象者に合わせた栄養提案へつなげる実践型資格です。「何を食べるか」に加えて、「なぜ必要なのか」「どの程度が適しているのか」を説明できる力の習得を重視しています。
Q7.栄養コンシェルジュ®と一般的な民間栄養資格の違いは何ですか?
栄養コンシェルジュ®の特徴は、特定の食品や食事法を一律に勧めるのではなく、身体の仕組みを根拠に個別の栄養戦略を考えることです。対象者の目的、活動量、身体状況、生活背景を整理し、「なぜ、この食品や量を選ぶのか」を論理的に説明する力を養います。
Q8.食品カテゴリーマップ®を学ぶと、何ができるようになりますか?
食品カテゴリーマップ®を学ぶことで、多数の食品を主な成分や役割から7つのカテゴリーに整理し、目的に応じた食品選択を考えやすくなります。食品を単純に「健康に良い・悪い」で分類するのではなく、誰が、何のために、どの程度食べるのかを分かりやすく説明できることが大きな利点です。
Q9.栄養コンシェルジュ®は初心者と専門職のどちらに適していますか?
栄養学を初めて学ぶ方にも、すでに専門資格を持つ方にも適しています。初心者は身体と栄養の基礎から段階的に学べます。管理栄養士、医療従事者、トレーナー、インストラクターなどは、既存の知識を整理し、説明力や個別提案力を高める学びとして活用できます。
Q10.栄養コンシェルジュ®の知識は、どのような仕事や活動に活かせますか?
スポーツ指導、パーソナルトレーニング、ボディメイク、健康づくり、保育、教育、介護、医療・福祉などで活用できます。運動指導に食事支援を加える、子どもの食育に根拠を持たせる、健康相談で相手の生活に合わせた提案を行うなど、既存の専門性を広げる力になります。
Q11.栄養コンシェルジュ®では、カロリー計算を中心に学びますか?
カロリー計算だけを中心に学ぶ資格ではありません。エネルギー量も重要な指標ですが、同じカロリーでも食品に含まれる栄養素や身体での利用方法は異なります。講座では、糖質・脂質・たんぱく質の代謝、消化吸収、ホルモン、身体組成などを学び、数値と身体の反応を結びつけます。
Q12.インターネットで栄養情報を調べられる時代に、資格を取得する意味はありますか?
検索で情報を得ることと、その情報を安全かつ適切に人へ活用することは異なります。栄養コンシェルジュ®では、情報の根拠を読み取り、対象者の状態や目的に応じて優先順位を判断する力を学びます。情報量が増えた時代だからこそ、知識を選び、説明し、実践へつなげる専門性が重要です。
栄養コンシェルジュ®のカリキュラムは、医学博士、医師、管理栄養士、調理師、臨床検査技師、臨床心理士、オリンピックメダリストなど、多分野の専門家が「現場で本当に役立つ栄養学」を目指して共同開発しました。知識の習得だけでなく、一人ひとりに合わせた実践力を養うことを重視している点が、多くの専門職から支持される理由の一つです。
栄養コンシェルジュ®は資格取得後も年会費・更新費が無料です。毎月の無料サロンで学んだ内容の復習、現場での疑問や悩みの共有・相談、 最新の栄養情報や考え方のアップデートができます。 資格を「取って終わり」にせず、学び続けられる・つながり続けられる環境として、多くの取得者に活用されています。
栄養コンシェルジュ®は、医療・スポーツ分野だけでなく、保育・教育分野でも活用されている実践型の栄養教育プログラムです。全国の保育士養成専門学校への導入に加え、食育や健康づくりへの関心が高まる中、主婦や会社員など幅広い層にも受講が広がっています。
日本栄養コンシェルジュ協会理事であり、北京オリンピック男子4×100mリレー銀メダリストの朝原宣治さんも栄養コンシェルジュ®を取得されています。競技生活で培われた経験に加え、栄養学を学び続けるその姿勢は、多くのアスリートやスポーツ指導者にとって大きな刺激となっています。現在では、競技力向上やコンディション管理を目的に、アスリートはもちろん、選手を支えるトレーナーやご家族などにも学びの輪が広がっています。
食品カテゴリーマップ®は、一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会が開発した公式ツールです。 食品を「最も多く含まれる栄養成分」によって7つのカテゴリーに整理し、難しい栄養学をシンプルに理解できるよう設計されています。
教育機関・医療機関・スポーツの現場でも導入されており、栄養学を見てわかる形にした信頼性の高いツールとして広く活用されています。
※「食品カテゴリーマップ®」は、一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会が提供する栄養教育ツールであり、商標登録済みの名称です。
現在、多くの方に実践的な栄養学を広めることを目的としてフリーツールとして公開しておりますが、名称および内容の無断改変・商用利用等につきましてはご遠慮ください。
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