
冷凍食品「塩あじえだ豆ボリュームパック」から、食品衛生法で定める基準値(0.5ppm)を超えるピラクロストロビン0.6ppmが検出され、約33,000パックが自主回収となりました。
本記事では、「基準値超=直ちに危険なのか?」という疑問に対し、内閣府食品安全委員会が設定するADI(一日摂取許容量)を基に数値で整理します。また、枝豆の栄養成分(日本食品標準成分表2020年版〈八訂〉)をもとに、食品としての価値も解説。農薬リスクと栄養価を冷静に読み解く視点を提供します。
■ 自主回収の経緯
冷凍枝豆から基準値0.5ppmを超える0.6ppmのピラクロストロビンが検出されました。
対象は賞味期限2027年4月19日・20日の製品で、回収対象は33,576パック。現時点で健康被害報告はありません。
「塩あじえだ豆ボリュームパック」商品回収に関するお詫びとお知らせ
■ ピラクロストロビンとは
ピラクロストロビンは、カビ防止に用いられるストロビルリン系殺菌剤です。穀物、野菜、果樹などで使用されています。
内閣府食品安全委員会は、ピラクロストロビンの一日摂取許容量(ADI)を0.034mg/kg体重/日 と評価しています。
体重50kgの場合、0.034 × 50 = 1.7mg/日が「一生涯にわたり毎日摂取しても健康影響がないと推定される量」です。
今回検出された濃度は 0.6ppm(=0.6mg/kg) であるため、1.7mg ÷ 0.6mg/kg ≒ 約2.8kgという計算になります。
つまり、理論上は体重50kgの人が当該枝豆を1日約2.8kg摂取した場合にADI相当量に達するという水準です。
通常の摂取量では、直ちに健康被害が生じる可能性は低いと推定されます。
※ADIは一生涯摂取を前提に安全係数をかけて設定されています。
残留農薬基準は「長期安全性」を前提に設定されています。
基準値超過は回収対象になりますが、それは予防原則に基づく措置です。
重要なのは、
・数値を理解すること
・ADIとの関係を整理すること
・実際の摂取量を考慮すること
感情的な判断ではなく、科学的理解が求められます。
日本食品標準成分表2020年版〈八訂〉より
エネルギー:118kcal
たんぱく質:11.7g
脂質:6.2g
炭水化物:8.8g
食物繊維:5.0g
カリウム:490mg
葉酸:260µg
鉄:2.7mg
ビタミンB1:0.20mg
枝豆は未成熟大豆であり、
✔ 植物性たんぱく質
✔ 食物繊維
✔ 葉酸
✔ 鉄
を効率よく摂取できる食品です。
日本栄養コンシェルジュ協会が開発・普及している食品カテゴリーマップ®ではカテゴリー2(たんぱく源)に位置づけられます。
国内主要産地:
・山形県
・新潟県
・群馬県
・千葉県
旬は6〜9月。冷凍枝豆は旬に収穫し急速凍結されるため、栄養保持率が高いという特性があります。
・冷凍枝豆から0.6ppmのピラクロストロビンが検出
・基準値は0.5ppmだが、ADI計算上は通常摂取で健康影響は低い
・枝豆は高たんぱく・高食物繊維の栄養価が高い食品
・農薬リスクは数値で評価することが重要
ニュースを見て不安になるか、数値で説明できるか。
その違いが専門性です。
栄養学の資格「栄養コンシェルジュ」では、スポーツ・ボディメイク・ダイエット・メディカルサポートといったあらゆる現場で、クライアントの身体理想を科学的かつ論理的に学べるだけでなく、
・残留農薬基準の読み方
・ADIの理解
・食品成分表の活用
・エビデンスの評価
まで体系的に学びます。ニュースを解説できる側へ。
引用・参考資料
内閣府 食品安全委員会 ピラクロストロビン評価書
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
食品衛生法 残留農薬基準関連資料
Q1. 0.6ppmは危険ですか?
通常摂取量では直ちに健康被害が生じる可能性は低いと推定されます。ただし基準値超過のため回収対象となります。
Q2. ピラクロストロビンとは何ですか?
カビ防止に使用される農薬で、ADIは0.034mg/kg体重/日と評価されています(食品安全委員会)。
Q3. 冷凍枝豆は安全ですか?
適切な管理下で製造された製品は一般的に安全です。今回の事例は基準値超過ロットの回収対応です。
Q4. 枝豆の栄養価は?
高たんぱく・高食物繊維・葉酸が豊富な食品です。
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