【栄養コンシェルジュと学ぶ野菜の栄養学 vol.3】野菜とホルモン分泌、胃抑制ペプチドGIPと野菜、食物繊維による消化管ホルモンGIPの抑制、日本人の食物繊維摂取量の現状、管理栄養士 監修

【栄養コンシェルジュと学ぶ野菜の栄養学 vol.3】野菜とホルモン分泌、胃抑制ペプチドGIPと野菜、食物繊維による消化管ホルモンGIPの抑制、日本人の食物繊維摂取量の現状、管理栄養士 監修

野菜と栄養の記事も第三回目となりました!
本日は野菜に多く含まれる食物繊維の働きについて、特に消化管ホルモンGIPとの関連についてご紹介します。
ダイエット中の方はもちろん、健康指導者の方まで参考になれば幸いです。

食物繊維によるGIP(脂肪蓄積作用をもつホルモン)の抑制

私たちの腹部に位置する腸は、様々なホルモン(消化管ホルモン)を分泌して身体の機能を調節しています。

※ホルモンとは私たちの身体の働きを調節する化学物質です。

中でも小腸上部のK細胞から分泌されるホルモンGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)は、脂肪細胞に働きかけると体脂肪を蓄積する作用をもつため、ダイエットにおいてこのGIP分泌は極力抑えたいと考えます。

食物繊維を多く含む食事を摂取した場合、GIPの分泌を抑えることが報告されており、GIP抑制を介して肥満が抑えられる可能性があります1)

毎食積極的に野菜をはじめとする食物繊維含有食品を摂ることで、GIP分泌を抑制しつつ肥満の予防や改善に取り組みたいですね。

不足に注意したい食物繊維の1日摂取量を分析してみました

これまでの野菜と栄養の記事でご紹介してきたとおり、野菜など食物繊維含有食品を積極的に摂取することで、肥満の予防や改善に良いことがわかります。

では、私たちは食物繊維をどの程度摂取しているのでしょうか?果たして1日目標量をクリアできているのか?国民健康・栄養調査(平成29年)のデータ2)を見てみましょう【写真-1】

1日の食物繊維摂取量は男性14.6g、女性14.3gであり特に20〜40歳代で摂取が少ない傾向があります。

厚生労働省の食事摂取基準2015年度版では国民1人あたりの1日食物繊維の目標量は男性20g、女性18gと設定されています。

また、食物繊維を多く含む野菜も1日目標量に達していないので、私たちが思っている以上に食物繊維(野菜)は積極的に摂取しないと不足しやすい栄養成分ということがわかります。【写真-1】

肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症は40歳から増加するため、生活習慣病予防のためにも全年齢を通して積極的に食物繊維を摂取しておきたいといえます。

野菜(食物繊維)とホルモンについてのまとめ

野菜と栄養vol.1~3にて、野菜が持つ力として、

☑ 食後高血糖を抑制する

☑ 満腹感の獲得による食べ過ぎを防ぐ

☑ 脂肪蓄積に働きかけるホルモンの分泌を抑制する

などご紹介してきました。

ダイエットや健康管理において野菜の栄養は大変有用です。毎日の食卓にふんだんに取り入れてみましょう。

栄養コンシェルジュ講座では食物繊維の働きを知ることができるだけでなく、数多くある食品を自分やクライアント、家族や友人にも合わせて選択する能力を養えます。あなたやあなたの大切な人のために、栄養学の勉強を始めてみませんか?

 

1) Hagander B,et all. Effect of dietary fibre on blood glucose, plasma immunoreactive insulin, C-peptide and GIP responses in non insulin dependent (type 2) diabetics and controls. Acta Med Scand. 1984;215:205-13.

2) 厚生労働省. 平成29年国民健康・栄養調査報告.〈https://www.mhlw.go.jp/content/000451755.pdf〉

「【栄養コンシェルジュと学ぶ野菜と栄養 vol.1」の記事はこちらをクリック!

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栄養コンシェルジュ紹介資料

廣瀬 直樹【Hirose Naoki】

廣瀬 直樹【Hirose Naoki】

管理栄養士、2ッ星栄養コンシェルジュ®、スポーツ栄養実践アドバイザー®
【プロフィール】大学を卒業後、病院の管理栄養士として生活習慣病、腎・肝臓疾患、外科領域の治療や予防的管理(NutritionSupportTeam)に取り組み、学会や論文として報告してきた実績を持つ。
現在はOriginal Nutrition(株)と栄養コンシェルジュ協会の運営に関わり、スポーツ専門学校での栄養学講師、行政と連携した乳幼児健診やシニアの栄養管理、アスリートサポートや執筆活動に取り組んでいる。
様々な専門家との連携による相乗効果で、目的に応じた結果の最大化を誰もが享受できる社会を目指し活動中。

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