
東京大学や青森県営浅虫水族館などの研究チームは、コウイカ類の一種 エゾハリイカ(Sepiola birostrata)の求愛行動を解析し、偏光(光の振動方向)を利用した模様形成を明らかにしました。研究成果は米科学アカデミー紀要 Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に掲載されています。
本研究は、生物が色ではなく「偏光」を用いてコミュニケーションしている可能性を示した点で注目されています。
電子顕微鏡観察の結果、エゾハリイカの求愛時に使われる腕は:
・透明な筋肉で構成されている
・表皮には虹色素胞(iridophores)が存在
・虹色素胞は外側ではなく内側に多く分布
さらに、筋肉の動きに応じて偏光状態が変化し、部位ごとに異なるパターンを作り出すことが分かりました。
多くのイカ類はヒトのような色覚を持たないとされていますが、偏光を感知する能力があることは過去研究でも示唆されています。
本研究は、視覚コミュニケーションの多様性を裏付ける成果です。
オスの派手な模様は、
・メスへのアピール
・天敵回避
といった生存戦略に関与していると考えられます。
研究代表者は、光が進化に重要な役割を果たしている可能性を指摘しています。
視覚の進化は、色だけでは説明できないかもしれません。
ここからは、食材としてのイカを見ていきます。
以下は文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)より「するめいか(生)」可食部100gあたりの数値です。
するめいか(生)100gあたり
エネルギー:76 kcal
たんぱく質:17.9 g
脂質:0.8 g
炭水化物:0.1 g
コレステロール:230 mg
ビタミンB12:18.0 µg
亜鉛:1.5 mg
銅:0.18 mg
※タウリン含有量は成分表本表に明示されていませんが、水産物分析報告では魚介類中で高濃度と報告されています。
① 高たんぱく・低脂質
イカは典型的な高たんぱく・低脂質食材です。
体重管理や筋量維持を意識する場合にも使いやすい特徴があります。
② ビタミンB12が豊富
B12は赤血球形成や神経機能維持に関与します。
③ 微量ミネラルを含む
亜鉛や銅などの微量元素も含まれています。
④ タウリンを多く含むと報告
タウリンは、
・胆汁酸抱合
・浸透圧調整
・抗酸化作用
に関与するとされています。
ただし、タウリン摂取と特定疾患予防の因果関係を断定できる十分なエビデンスは限定的です。
するめいかは日本近海で漁獲され、
・北海道
・青森県
・石川県
・佐賀県
・長崎県
などが主要産地です。
日本の食文化とも深く結びついた水産資源です。
イカは高速遊泳生物です。
発達した筋肉構造は、高たんぱく質構成と無関係ではありません。
生物の構造や進化を理解することは、その栄養特性を理解することにもつながります。
生物学と栄養学は分断された学問ではありません。
■ エゾハリイカは偏光を利用して求愛模様を形成することがPNAS研究で示された
■ 腕は透明な筋肉構造と虹色素胞により偏光パターンを作る
■ するめいかは高たんぱく(17.9g/100g)・低脂質(0.8g/100g)
■ ビタミンB12や亜鉛を含む
■ 生態と栄養特性は無関係ではない
今回の研究は、
・光学
・生理学
・進化生物学
を横断する成果です。
栄養学も同様に、
・生化学
・生理学
・行動科学
・公衆衛生
を統合して理解する必要があります。
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Q1. イカは高たんぱく食材ですか?
はい。するめいか(生)は100gあたり17.9gのたんぱく質を含みます。
Q2. イカは低脂質ですか?
脂質は100gあたり0.8gで、比較的低脂質です。
Q3. イカにはタウリンが多いですか?
成分表本表には記載がありませんが、水産物分析研究では高含有が報告されています。
Q4. 偏光とは何ですか?
光の振動方向のことで、イカはこれを視覚情報として利用している可能性があります。
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