コーヒーや紅茶は認知症リスクを下げる? JAMA掲載研究を科学的に読み解く【栄養学の資格 栄養コンシェルジュ 監修】

コーヒーや紅茶は認知症リスクを下げる?  JAMA掲載研究を科学的に読み解く【栄養学の資格 栄養コンシェルジュ 監修】

2026年、医学誌 JAMA に掲載された研究が話題となりました。
報道では、「毎日のカフェイン入りコーヒーや紅茶が、将来的な認知症リスク低下と関連する可能性」が示されたと伝えられています。
本記事では、一次情報に基づき、
・研究の内容
・統計的に何が示されたのか
・何は示されていないのか
を整理します。

研究の概要

本研究は、約13万人以上を対象とした長期観察研究です。

筆頭著者はハーバード大学 T.H.チャン公衆衛生大学院所属の研究者です。

主な結果

・1日2~3杯のコーヒー摂取群で認知症発症リスク約18%低下

・1日1~2杯の紅茶摂取群で約14%低下

と報告されています。

また、「カフェイン抜きでは同様の関連は観察されなかった」とされています。

JAMA. 2026; Caffeinated Coffee and Tea Consumption and Risk of Dementia.

CNN Health, 2026年報道

重要なポイント:これは観察研究

JAMA掲載研究は観察研究(observational study)です。

観察研究では、

・関連(association)は示せる

・因果関係(causation)は証明できない

という制限があります。

研究著者自身も、本研究は関連性を示すものであり、因果関係を証明するものではないと明示しています。

したがって、カフェイン摂取が認知症を直接予防すると断定できる信頼性のある情報は、現時点では存在しません。

なぜ関連が出たのか?考えられる要因

① カフェインそのものの影響

カフェインは中枢神経刺激作用を持ち、覚醒・注意力向上に関与します。

② コーヒーの多成分性

トロント大学の研究者は、コーヒーにはカフェイン以外にも、炎症、酸化ストレス、血管機能に影響する多数の生理活性物質が含まれると指摘しています。

③ 交絡因子の可能性

観察研究では、

・社会経済的地位

・食生活の質

・教育水準

・知的活動量

などが影響する可能性があります。

カフェインの安全量

欧州食品安全機関(EFSA)は、健康な成人では1日400mg未満のカフェイン摂取は一般に安全域と評価しています。

この範囲内で、認知症対策としてコーヒーなどカフェイン含有食品を取り入れるとよいでしょう。

引用:EFSA Journal. 2015;13(5):4102.

ただし妊娠中や感受性の高い人では制限が必要です。

現時点での整理

✔ コーヒー・紅茶と認知症リスク低下の関連は示された

✔ デカフェでは関連が見られなかった

✔ しかし因果関係は証明されていない

✔ 行動を変えるほどの確定的証拠とはいえない

ニュースをどう扱うか?

今回の研究が示すのは、

「コーヒーは薬になる」という結論ではありません。

むしろ重要なのは、

・観察研究の限界

・相関と因果の違い

・食品の多成分性

を理解することです。

栄養情報は、単純化された瞬間に誤解を生みます。

栄養を学ぶ価値は「判断力」

研究を読んで、

・どこまでが事実か

・どこからが推測か

・何を根拠に言っているのか

を整理できる力。これがある人は、

・不安に流されない

・流行に振り回されない

・他者に説明できる

ようになります。

栄養学の資格 栄養コンシェルジュ では、こうした「研究を読み解く力」も体系的に学びます。

ニュートリジェンスの記事は、単なるニュース紹介ではなく、学びへの入り口として機能することを目指しています。

結論まとめ

・1日2~3杯のコーヒー、または1~2杯の紅茶と認知症リスク低下の関連がJAMA掲載研究で示された。

・コーヒー摂取群で約18%、紅茶摂取群で約14%のリスク低下が報告された。

・ただし本研究は観察研究であり、因果関係は証明されていない。

・カフェイン抜き(デカフェ)では同様の関連は確認されなかった。

・現時点で、カフェイン摂取が認知症を直接予防すると断定できる信頼性のある情報は存在しない。

・健康な成人ではカフェイン400mg/日未満が一般に安全域とされる(EFSA, 2015)。

ニュートリジェンス編集部の見解

・行動を急いで変えるほどの証拠はまだ十分ではない。

・コーヒーは単一成分ではなく、多数の生理活性物質を含む複合食品である。

・認知機能の維持は、食事全体・運動・睡眠・社会的活動など複数要因が関与する。

栄養を学ぶという選択

研究結果を、

・鵜呑みにしない

・過度に否定しない

・限界ごと理解する

この判断力こそが、栄養の専門性です。

栄養コンシェルジュでは、こうした研究を読み解き、説明できる力を体系的に学びます。

参考文献

JAMA. 2026; Caffeinated Coffee and Tea Consumption and Risk of Dementia.

EFSA Journal. 2015;13(5):4102.

CNN Health. 2026年報道。

よくある質問と回答

Q1. コーヒーは認知症を予防しますか?

現時点で因果関係を示す信頼性のある証拠は存在しません。関連が示された観察研究です。

Q2. デカフェでは効果はありませんか?

研究では同様の関連は確認されませんでしたが、理由は断定できません。

Q3. カフェインはどれくらいまで安全?

健康な成人で1日400mg未満が一般に安全域とされています(EFSA, 2015)。

Nutrigenceスタッフ

Nutrigenceスタッフ

栄養や健康に関する最新情報をお届けするメディアサイトNutrigence®(ニュートリジェンス)スタッフです。

SEARCH

CATEGORY

GROUP

よく読まれている記事

KEYWORD

  1. 栄養コンシェルジュ
  2. 食べ物
  3. セミナー
  4. 食品カテゴリーマップ
  5. 感想
  6. カテゴリー2
  7. 資格
  8. 野菜
  9. カテゴリー3
  10. トレーナー
  11. カテゴリー6
  12. メディア
  13. 食品
  14. カテゴリー1
  15. 子ども
  16. 栄養コンサルティング
  17. スポーツ
  18. パーソナルトレーナー
  19. 栄養セミナー・講座
  20. ダイエット
  21. レシピ
  22. インストラクター
  23. 五大栄養素
  24. 健康
  25. YouTube発信
  26. カテゴリー5
  27. ポーション
  28. 管理栄養士
  29. 食育
  30. 栄養学
  31. 女性
  32. 食物繊維
  33. 生活習慣病
  34. お酒
  35. 料理教室
  36. 書籍
  37. 理学療法士
  38. 栄養トレーナーコース
  39. 栄養コンシェルジュについて
  40. アスリート
  41. リゾスポ
  42. 食文化
  43. たんぱく質
  44. 炭水化物
  45. ビタミン
  46. 柔道整復師
  47. カテゴリー7
  48. ミネラル
  49. スポーツ栄養実践アドバイザー
  50. 看護師
  51. メディカル
  52. オンライン
  53. 糖質
  54. 三幸学園
  55. 三大栄養素
  56. 論文
  57. カテゴリー4
  58. 母子栄養
  59. 赤ちゃん
  60. サラダ
  61. 肥満
  62. 主婦
  63. 鍼灸師
  64. ドレッシング
  65. 脂質
  66. インタビュー
  67. 加齢
  68. 妊娠
  69. バスケットボール
  70. 鶏肉
  71. ピラティスインストラクター
  72. 腸内環境
  73. 食品表示
  74. 調理師
  75. カルシウム
  76. 栄養士
  77. 会社員
  78. シナプソロジー
  79. 免疫
  80. 商品
  81. 糖尿病
  82. 東洋医学
  83. 睡眠
  84. バレエ
  85. サロン
  86. ジュニアアスリート
  87. 専門学校
  88. スポーツ栄養学
  89. 美容
  90. 介護福祉士
  91. 美容師
  92. ネイル
  93. ヘアケア
  94. 髪質
  95. エステ
  96. 美容サロン
  97. カリキュラム
  98. 栄養コンシェルジュサロン
  99. ボディメイク
  100. 整体師
  101. ヨガ
  102. LINE公式アカウント
  103. 保育士
  104. 介護士
  105. 高齢者
  106. グルコース
  107. 豚肉
  108. 求人
  109. あん摩マッサージ指圧師
  110. 高校生
  111. 主菜
  112. プロテイン