- ダイエット
ダイエット指導やボディメイクで、クライアントが「分かっているのに食べすぎてしまう」「ストレスで食欲が止まらない」と悩む場面は少なくない。数字で管理するだけの食事指導では、こうした根本的な課題を解決できず、リバウンドや停滞を繰り返すことも多い。
そんな中、注目を集めているのが「マインドフルネス食事法」だ。食べる瞬間に意識を向け、五感と心の動きを感じるだけで、体重減少が倍増し、過食やストレス食いを抑えられるという研究結果がある。
本記事では、その科学的背景と現場での指導法を解説し、トレーナーが成果を出すために不可欠な「栄養学の新しい学び方」についても紹介する。
マインドフルネス(今、この瞬間に集中する)食事法とは、食べている瞬間に対して五感を研ぎ澄ませ、身体の内側の空腹感・満腹感や味わいに注意を向ける実践である。
研究では、通常の食事指導に、8週間のマインドフル実践を追加したグループの体重減少が、「食事のみ」指導グループに比べて−5.2kgと有意に大きかった。食事指導のみでは−3.1kgにとどまり、行動変容の質が成果に影響することが示された 。
マインドフルネス食事法を通常の食事指導に組み込むことで、体重の減少幅が最大2倍に増え、過剰制限・感情的な食べ過ぎ・自制心の低下など、多様な不健康な食習慣の改善につながる。
本指導法により、トレーナーはクライアントの行動変容を促進し、持続可能な体重管理を支援できる。
・認知的制限(意図的に食べる量をコントロールする行動)
・感情的な食行動(ストレスや悲しみなど感情に反応して過食する行動)
・自制の低下(コントロールが効かず食べ過ぎてしまう行動)
これら3つの過剰・不健康な食習慣が改善されることで、体重減少に結びついたと考えられる 。
最新の知見と議論
他の研究でも、マインドフルネスを取り入れたプログラムは、過食傾向や感情的な食行動を減らし、食べ物と身体イメージへの関係改善を促すという知見が得られている。また、食べ始める前に匂いや味、色を意識する“マインドフル食事日記”のような簡易版でも同様の効果が得られたという報告もある 。
最初に行動評価
・クライアントが感情的、衝動的、または意識的な制御下での食事をしているかアンケートなどで確認。
マインドフル実践の導入
・食事中、スマートフォンを置き、五感で食材への気づきを持たせる。
例:「口に運ぶごとに、味わいを丁寧に感じながらいただこう」「素材の風味を感じつつ、ゆっくりと噛みしめて食べてみよう」といった声掛け。
カロリーイメージの活用
・「このおにぎり2個でショートケーキ1個分のカロリーだから、咀嚼時間を増やして満足感アップを狙おう」と具体例で伝える。
日記とセルフモニタリング
・感情と食事を記録。匂いや味、色に関する質問形式の日記で、思考の自動反応から気づきへ導く。
行動変容とトレーニングの連携
・筋トレや有酸素運動を続けることで、消費エネルギーが増え、達成感も高まる好循環が生まれる。
・マインドフルで味わうことで過食予防にもつながる。
食事指導は、単なるカロリーの足し算引き算や栄養バランスの提示だけでは、クライアントの心には届かず、長期的な行動変容にはつながりにくい。人は数字だけでは動かない。ストレスや感情、無意識のクセ…そうした「食事との向き合い方」を変えられなければ、ダイエットも健康づくりも続かないのだ。
マインドフルネス食事法のように、しっかりと味わい、自分の心と体の声に耳を傾ける習慣を身につけると、過食やストレス食いを防ぎ、無理のない減量が可能になる。
そうした実践的な手法を理解し、クライアントに寄り添って導けるトレーナーこそ、信頼され、結果を出せる存在となる。
そのためには、「栄養学を数字でなく行動科学として学ぶ」ことが欠かせない。栄養コンシェルジュは、単なる知識の暗記ではなく、“食事と向き合う力”を養うことを大切にしている。クライアントが食べることを楽しみながら健康を手に入れられるよう、心と体の両面から支えるスキルを学べるのだ。
トレーナーとして、あなたがクライアントの未来を変える存在になるために。「食べる」を見つめ直し、「支える力」を高める学びを、今こそ始めてほしい。
栄養学を深めることは、クライアントの成功だけでなく、あなた自身の価値を大きく高める第一歩である。
参考文献:Ümüş Özbey Yücel et.al. J Hum Nutr Diet. 2025 Jun;38(3):e70078.The Effectiveness of the Mindfulness-Based Dietary Intervention on Body Weight and Eating Behaviors.
Silvia Patrícia de Oliveira Silva Bacalhau et.al. Published: 01 May 2025.Mindfulness-based interventions and their relationships with body image and eating behavior in adolescents: a scoping review.
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