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令和4年3月6日は第30回柔道整復師国家試験でした。
受験された方々お疲れ様でした。
柔道整復師の国家試験はどういったものか、資格を取得することで何ができるようになるかなどをまとめています。
まずは柔道整復師の受験資格についてです。
残念ながら柔道整復師の国家試験は誰でも受験できるわけではありません。
柔道整復師の国家試験を受験するには以下のような受験資格が必要になります。
・柔道整復師養成施設を卒業して必要な知識及び技能を修得した人(あるいは卒業・取得見込みの人)
つまり、大学や専門学校に通い所定のカリキュラムを学び、知識やスキルを身につける必要があります。
次に勉強する内容についてです。
柔道整復師の国家試験では以下のような科目から出題されます。
①解剖学
細胞や臓器といった人体の仕組みはどのように成り立っているのか、体表から観察される骨や筋肉、血管はどうなっているのか、といったようなことを学びます。
②生理学
体内で起こる生理的な反応にはどのようなものがあるか、体内では物質や栄養素がどのように変化し、作用していくのか、といったようなことを学びます。
③運動学
身体運動における力学にはどのようなものがあるか、運動器や神経のメカニズムはどうなっているのか、といったようなことを学びます。
④病理学概論
細胞障害や炎症とはどういったものか、病気の原因にはどのようなものがあるか、といったようなことを学びます。
⑤衛生学・公衆衛生学
健康とはどういったものか、健康に影響を及ぼす食品や環境にはどういったものがあるか、といったようなことを学びます。
⑥一般臨床医学
検査方法にはどのようなものがあるのか、代表的な臨床症状とその対策はどうするのか、といったようなことを学びます。
⑦外科学概論
外科における処置や各疾患に関する特徴について学びます。
⑧整形外科学
各疾患の病態や特徴、診断基準にはどのようなものがあるか、といったようなことを学びます。
⑨リハビリテーション医学
リハビリテーションの概念とは、リハビリテーション医学における評価や診断はどのように行うか、といったようなことを学びます。
⑩柔道整復理論
各骨折や脱臼がどのようなケースで起こりやすいのか、関連する筋肉は何であり、どのような姿勢であれば痛みが緩和するか、といったようなことを学びます。
⑪関係法規
柔道整復師が理解しておくべき法律や罰則について学びます。
また国家試験における実技試験は廃止となり、筆記試験のみになったようです。
もちろん技術がなくても良いというわけではなく、大学や専門学校で認定実技試験を行い、そこで実技のスキルがチェックされるようです。
①独立開業ができる
整骨院や接骨院を開くことができます。
②自身の判断で治療が可能
骨折や捻挫、脱臼などの急性のケガに対して応急手当を行うことが出来ます。
・固定法:ギプスなどを用いて患部を固定する
・整復法:骨や関節を元の位置に戻す
・後療法:物理療法や手技療法、運動療法によって刺激を与え回復を促す
その他の医療行為(注射を打つ、薬を出すなど)は認められていません。
ここで仕事の内容や名前が似ている他の資格と柔道整復師にはどのような違いがあるのか確認してみましょう。
柔道整復師と理学療法士はどちらも国家資格となります。
どちらも治療を行いますが、柔道整復師は骨折や脱臼など一部のケガに対して自身の判断で治療することが認められています。
一方の理学療法士は医師の指示を受けて治療を行うことになります。
また柔道整復師には開業権がありますが、理学療法士には開業権がありません。
まず柔道整復師は国家資格であるため、柔道整復師養成施設に通い国家試験に合格する必要があります。
3~4年間大学や専門学校で勉強に励み、手技を身につけた後に国家試験を受験することになるため、資格取得まで最短でも3年はかかります。
一方、整体師は民間資格であるため、各種資格を取得してお仕事をするケースが多いです。
柔道整復師と比較すると、短期間で資格を取得できることが多いようです。
また柔道整復師は骨折や捻挫などの外傷に対して治療を行うことができます。これらは保険適用となります。
一方、整体師によるゆがみの矯正による施術は保険適用にはならずすべて自費で支払うということになります。
柔道整復師は身体についての様々な知識やスキルを学び、習得することで受験できる国家資格です。
急性のケガに対して応急処置やその後の回復をサポートしてくれます。
人に寄り添うお仕事をしたい方は目指してみてはいかがでしょうか?