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【魚の選び方】「さば・さけ・たら」の脂質と栄養の違い|管理栄養士監修

クライアントに「肉ばかりではなく魚も食べましょう」と指導する際、どの魚を選ぶべきかまで具体的に提案できていますか?
実は、同じ魚でも「さば」「さけ」「たら」では、含まれる脂質の量や質、ビタミンなどの栄養価に大きな違いがあります。
今回は目的別・タイミング別の最適な魚の選び方を解説します。

また、鯖を使った料理には以下のように様々な料理があります☆

生:さばずし、しめさばなど
煮:さばのみそ煮など
焼:さばのてり焼きなど
揚:サバの竜田揚げなど

 

京都府の郷土料理には「さばずし」という料理があります。

農林水産省のホームページ、うちの郷土料理によると、

若狭湾では、サバがよくとれ、古くから大衆魚として親しまれていた。冷蔵技術が発達していなかった時代、サバは鮮度が落ちるのが速いこともあり、サバを長く楽しむための工夫が考えられた。塩漬けにした後、さらに糠漬けにする「へしこ」もサバを長く味わうための工夫の末に誕生した料理だが、酢でしめる、焼くことも保存方法の一つであった。
魚介類を若狭湾(小浜)から都(京都)へと運ぶためのルート、通称“鯖街道”で商品を運ぶ際も、サバを塩漬け、酢漬けにしたり、焼いたものを内陸部まで運んだという。そのため、鯖街道周辺では、「さば飯」や「なれずし」など、サバを使ったさまざまな郷土料理が伝えられている。
そのなかの一つが「さばずし」で江戸時代に誕生したといわれる。サバを塩漬けにして鯖街道を通って運ぶと、都(京都)に着くまでの2日から3日の間でちょうど良い塩加減になったという。この塩漬けのサバを使って「さばずし」はつくられ、庶民の間で貴重な青魚を楽しむ文化が生まれた。冷蔵技術が発達した現在においても多くの人に親しまれている。

とのことです。

自分に都合よく年齢や数をごまかすときに、『さばを読む』と言ったりしますね!
これはサバが他の魚よりも傷みやすいために、サバを急いで数える必要があり数の間違いを引き起こしやすいことから来ていると言われています。(諸説あり)

傷みやすいサバを保存する工夫としてさばずしが考案されたようです。

皆さんも京都府を訪れた際にはぜひ一度ご賞味ください☆ 

さばにはDHAがたっぷり!

さば100gに含まれるカロリーと三大栄養素は以下の通りです。

カロリー:211kcal
たんぱく質:20.6g
脂質:16.8g
炭水化物:0.3g

 

またさばに含まれる「ドコサヘキサエン酸(DHA)「エイコサペンタエン酸(EPA)」という不飽和脂肪酸が多く含まれています。

DHAやEPAはサバ以外にもイワシやアジ、ブリなどにも多く含まれています。
鯖缶を使えば手軽に摂取できますね☆

また20代女性がさば100gを食べた場合に1日に必要なビタミンやミネラルをどのぐらい摂取できるのかまとめてみました。

充足率
まさば100g食べた場合に20代女性が1日に必要な各栄養素をどの程度摂取できるかを示した割合。
*1 推定平均必要量:ナトリウム
*2 推奨量:カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、モリブデン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC
*3 目安量:カリウム、リン、マンガン、クロム、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸、ビオチン
日本食品標準成分表2020年版(八訂)、日本人の食事摂取基準(2020年版)から計算。

さばの栄養成分

サバはカテゴリー2Cに分類されます!

サバは食品カテゴリーマップの分類ではカテゴリー2Cとなります!

身体の材料となるたんぱく質やエネルギー源となる脂質を含むところがカテゴリー2の特徴です。

カテゴリー2は脂質の種類や量によってさらにA~Eの5つに分類されます​​​​​​。​​

次に、さばと他の魚では栄養価にどのような違いがあるのか調べてみました。

Q. さば・さけ・たら、クライアントにおすすめするならどっち?

A. 良質な脂質(DHA・EPA)をしっかり摂るなら『さば』、たんぱく質を効率よく摂るなら『さけ』、超低脂質を目指すなら『たら』がおすすめです。

上記の根拠となる、さば・さけ・たらのカロリー・三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の含有量を比較した表がこちらです。

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 まさば/生、べにざけ/生、まだら/生より

カロリーは鯖が一番高く、鮭の2倍弱、鱈の3倍程度あるようです。

たんぱく質は鮭が一番多く、脂質・炭水化物は鯖が一番多いようです。

 

続いて、ビタミンについて含有量を比較した表がこちらです。

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 まさば/生、べにざけ/生、まだら/生より

ビタミンA(粘膜や皮膚を保つ役割や視覚を維持する働きを持つ)は鯖が一番多いようです。

また、ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける働きがある)ビタミンB1(糖質をエネルギーに変換させる働きがある)葉酸(DNAや赤血球を作る働きを持つ)は鮭が一番多いようです。

ビタミンC(活性酸素から守る役割やコラーゲン合成を助ける働きがある)は鯖・鮭・鱈にはほぼ含まれていないようです。

 

最後にミネラルについて含有量を比較した表がこちらです。

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 まさば/生、べにざけ/生、まだら/生より

ナトリウム(体内の水分量を調節する働きがある)は鯖と鱈と同量含まれており、鮭より多いようです。

カリウム(体水分量を調節する役割や筋肉を収縮させる働きを持つ)は鮭、カルシウム(骨や歯の材料という役割や筋肉の動きを保つ働きがある)は鱈、鉄(赤血球の材料という役割を持つ)は鯖、にそれぞれ1番多く含まれているようです。

 

ちなみに、鮭や鱈も鯖と同様にカテゴリー2に分類されます。

“さば”をおすすめする際のアドバイス例

“さば”に含まれる栄養素を踏まえると、お客様に以下のようなアドバイスができそうですね☆

「さばはDHAとEPAが豊富なので、脳と血管の健康をサポートにおすすめです!」
→DHAとEPAは記憶力や中性脂肪の減少に関与します。
 体づくりだけでなく、長期的な健康のためにも食品の選択肢に"さば"を入れてもらいましょう。

「鯖缶を使えば手軽にたんぱく質やDHA、EPAを摂取できるので、料理が苦手な方におすすめです!」
→鯖缶はそのまま食べても、サラダやパスタに加えても美味しいので、時短で栄養補給したい方にも強い味方です。

「さば以外にもカテゴリー2Cの食品でたんぱく質と脂質を摂取しましょう!」
→さば・さけ・たらなど、魚によって栄養バランスが異なります。
 さばでDHAとビタミンA、鮭でビタミンDとB1、鱈で低カロリー高たんぱく質…といった具合に、目的に応じて使い分けてみましょう。

食品の特性を瞬時に判断し、クライアントに合わせた提案ができるようになるのが『栄養コンシェルジュ』です。

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一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

土肥慎司

ヘルスケア会社にて、健康管理に関するシステム・商品の開発に携わる管理栄養士。
専門学校では栄養学の講師を務め、基礎から実践までをわかりやすく伝えている。

また、スポーツ選手や保護者、指導者を対象に、栄養セミナーや個別の栄養サポートを実施。
高校まで野球に取り組んだ自身の経験を活かし、選手目線に立った現実的な提案を大切にしている。

管理栄養士が考える「理想的な100点の食事」を押し付けるのではなく、
選手・家族・チームそれぞれのライフスタイルを踏まえた、続けられる栄養の考え方を伝えている。