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私たちの体を構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸がペプチド結合することでできています。
アミノ酸は炭素や窒素でできているので、体内でのアミノ酸代謝は窒素の代謝と炭素(炭素骨格)の代謝に分けられます。
本記事では、アミノ酸の炭素骨格の代謝として①ピルビン酸へ変換される代謝経路と、②TCA回路の構成成分への代謝経路をもつ「糖原性アミノ酸」について簡単に解説します。
糖原性(とうげんせい)アミノ酸とは、グルコースへと変換できる「炭素骨格」をもつアミノ酸のことをいいます。
簡単にいうと、糖原性アミノ酸は糖質に変身することができる(糖新生ができる)アミノ酸なのです。
💡アミノ酸はタンパク質の構成成分で、ヒトの身体のタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されています。アミノ酸=タンパク質と簡単に覚えておきましょう。
糖原性アミノ酸は以下となります。
☑ グリシン
☑ アラニン
☑ バリン
☑ イソロイシン
☑ セリン
☑ トレオニン
☑ アスパラギン酸
☑ グルタミン酸
☑ アスパラギン
☑ グルタミン
☑ アルギニン
☑ システイン
☑ メチオニン
☑ フェニルアラニン
☑ チロシン
☑ トリプトファン
☑ ヒスチジン
☑ プロリン
※赤字は糖原性アミノ酸とケト原性アミノ酸の両方の性質を持っているアミノ酸です。
アミノ酸は全20種類なので、ほとんどのアミノ酸は糖原性アミノ酸であることがわかります。
前述したとおり、糖原性アミノ酸はグルコースに糖新生できるアミノ酸をいいます。したがって、主食である糖質が不足してエネルギーが足りなくなると糖原性アミノ酸がエネルギー源として用いられます。本来、摂取したアミノ酸は身体の構成成分である体タンパク質(骨格筋など)の材料として使いたいのに、エネルギー源として用いられてしまうと利用効率が悪くなってしまいます。
反対に、糖質や脂質からのエネルギー供給が十分な場合は、アミノ酸は効率よく体タンパク質の合成に用いられます。このことから、骨格筋の崩壊(異化:カタボリック)を防ぎたい方や、成長・身体作りを目的としている方では糖質や脂質の摂取量が不足しないように注意が必要です。
では、たんぱく質を必要量以上に食べ過ぎた場合はどうでしょう?たんぱく質(糖原性アミノ酸)を食べ過ぎると、アミノ酸代謝(分解)が活発化して炭素骨格の一部が脂質にも変換されるので覚えておきましょう。
アミノ酸はたんぱく質の構成成分であり、アミノ酸の多くが糖原性アミノ酸でした。このことから、たんぱく質を多く含む食べ物に糖原性アミノ酸が含まれているのです。
お肉、お魚、大豆製品、卵など食品カテゴリーマップ®のカテゴリー2番に糖原性アミノ酸が多く含まれます。
たんぱく質が豊富な食品(カテゴリー2)
☑ 肉類(牛、豚、鳥、ハム、ウインナーなど)
☑ 魚介類(魚、エビ、貝、いか、たこ、カニなど)
☑ 卵(鶏卵など)
☑ 大豆製品(豆腐、豆乳、納豆など)
20種類のアミノ酸のうち、炭素骨格をもつアミノ酸は「糖原性アミノ酸」と呼ばれ、体内の代謝状況(栄養状態)により糖質や脂質に変換されます。
糖質を極端に制限するようなダイエットでは、本来は筋肉のために使われるアミノ酸がエネルギーに変換されるので体内での利用効率が悪くなります。
身体作りや健康維持・増進のためには、たんぱく質はもちろん、糖質や脂質の摂取量も重要になることをおさえておきましょう。
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