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2026年夏、乳幼児を中心に流行する「手足口病」の感染が全国で急速に拡大しています。7月6~12日の1週間では、全国約2,000か所の小児科定点から20,557人の患者が報告され、1医療機関あたりの報告数は9.12人。35都府県で警報レベルの目安を上回りました。
手足口病は、多くの場合3~7日程度で症状が軽快するウイルス性感染症ですが、まれに髄膜炎や脳炎などを合併することがあります。また、口腔内の発疹や潰瘍によって、子どもが食事や水分をとれなくなることもあるため注意が必要です。
本記事では、最新の流行状況を踏まえ、手足口病の症状、感染経路、予防、受診を考える症状、そして食べられないときの栄養・水分補給の考え方を整理します。
1.2026年、手足口病が35都府県で警報レベルに
2026年夏、手足口病の患者報告数が全国的に増加しています。
7月6~12日の1週間に、全国約2,000か所の小児科定点から報告された患者数は20,557人。1医療機関あたりでは9.12人となり、前週の7.03人から約1.3倍に増加しました。
都道府県別では千葉県が15.4人と最も多く、奈良県14.83人、埼玉県14.78人と続き、全国35都府県で警報レベルの目安となる「定点あたり5人」を超えています。
手足口病は、もともと日本では夏季に流行しやすい感染症です。特に乳幼児に多く、JIHS(国立健康危機管理研究機構)によると、日本では2歳以下の報告が多いことが知られています。
2026年は各地で早い段階から警報基準を超える地域が確認されており、引き続き流行状況に注意が必要です。
2.手足口病とは?原因となるウイルスと代表的な症状
手足口病(Hand, Foot and Mouth Disease:HFMD)は、口の中や手足などに水疱性の発疹が現れる急性ウイルス性感染症です。
主な原因ウイルスには、コクサッキーウイルスA16(CA16)、A6(CA6)、A10(CA10)、エンテロウイルス71(EV71)などがあります。
一般的なCA16やEV71による手足口病では、感染後3~5日程度の潜伏期間を経て、口腔粘膜、手のひら、足の裏、足の甲などに2~3mm程度の水疱性発疹が現れます。
口の中では小さな潰瘍を形成することもあります。
発熱は約3分の1にみられますが、多くは38℃以下で、通常は3~7日程度で症状が軽快します。
「手・足・口」という病名ですが、肘や膝、お尻などに発疹が現れる場合もあります。
3.多くは自然に回復するが、重症化には注意が必要
手足口病の多くは予後良好で、基本的には症状に応じた対症療法を行いながら自然な回復を待つ感染症です。
ただし、「子どもによくある夏の感染症だから大丈夫」と決めつけることはできません。
まれに髄膜炎や脳炎などの中枢神経系合併症を起こすことがあり、特にEV71による感染では中枢神経系合併症への注意が必要とされています。
厚生労働省も、経過観察中に高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速く息苦しそう、水分がとれず尿が出ない、ぐったりしているなどの症状がみられる場合には、医療機関への受診を検討するよう注意喚起しています。
重要なのは、病名だけで安心・不安を判断するのではなく、子どもの全身状態や普段との違いを観察することです。
4.手足口病はどうやって感染する?回復後も注意が必要な理由
手足口病の主な感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染です。
咳やくしゃみなどの飛沫だけではなく、ウイルスが付着した手や物を触り、その手で口や鼻などに触れることでも感染が広がります。
特に乳幼児が集団生活を送る保育所や幼稚園では、子ども同士の距離が近く、おもちゃなどを共有する機会も多いため、感染が広がりやすい環境になります。
また注意したいのが、症状が治まった後もウイルスが排泄されることがある点です。
厚生労働省によると、治った後も比較的長い期間、便などからウイルスが排泄される場合があります。
そのため、「発疹が消えたから感染対策は終了」と考えるのではなく、日常的な手洗いや排泄物の適切な処理を継続することが重要です。
5.手足口病を予防するために重要なこと
手足口病には、国内で一般的に使用できる特異的な予防薬はなく、日常生活における基本的な感染対策が中心となります。
特に重要なのは、流水と石けんによる手洗い、タオルの共用を避けること、排泄物を適切に処理することです。
乳幼児の場合、おむつ交換の際に便へ触れる機会があります。手足口病では回復後も便中へウイルスが排泄される可能性があるため、おむつ交換後には丁寧な手洗いを習慣化する必要があります。
感染症対策というと特別な消毒方法へ注目しがちですが、まず徹底したいのは基本的な衛生行動です。
「流行しているときだけ手を洗う」のではなく、日頃から適切な手洗いを続ける。
こうした基本的な習慣が、家庭や保育施設での感染拡大を防ぐ土台になります。
6.口が痛くて食べられないときの食事と水分補給
手足口病では、口腔粘膜に水疱や潰瘍ができることで、食べ物や飲み物がしみたり、痛みを感じたりすることがあります。
このような状態で、「野菜も食べさせなければ」「栄養バランスを整えなければ」と無理に普段通りの食事を求める必要はありません。
まず重要なのは、水分がとれているかを確認することです。
口腔内の痛みが強い場合には、一度にたくさん飲ませようとせず、本人が受け入れやすい方法で少量ずつ摂取することも考えます。食事についても、熱すぎるものや刺激の強いものを避け、口の状態に応じて食べやすい温度や硬さを選ぶことが現実的です。
ただし、水分がほとんどとれない、尿が出ない、ぐったりしているなど脱水が疑われる場合には、食事の工夫だけで対応せず、医療機関への相談が必要です。厚生労働省も「水分が取れずにおしっこがでない」状態を注意すべき症状として挙げています。
7.体調が悪いときこそ「栄養バランス」だけを追わない
健康なときには、さまざまな食品から必要な栄養をとることが基本です。
しかし、体調を崩しているときも同じ優先順位で考えるとは限りません。
例えば、手足口病で口の中が痛く、水分すら十分にとれない子どもに対して、最初から「主食・主菜・副菜をバランス良く」と考えることが現実的とは限りません。
その時点で何を優先すべきなのか。
水分なのか。
エネルギーなのか。
食べやすさなのか。
普段の食事へ戻す段階なのか。
栄養支援では、「何を食べると健康によいか」という知識だけではなく、その人の身体状況に応じて優先順位を変える力が求められます。
これは子どもの食事だけではなく、スポーツ、ダイエット、高齢者支援、医療、日常の健康管理にも共通する栄養学の重要な視点です。
8.栄養の知識を「目の前の人に合わせる力」へ
インターネットで「手足口病 食事」と検索すれば、多くの食品やメニューが紹介されています。
しかし、本当に重要なのは「おすすめ食品のリスト」を覚えることだけではありません。
同じ手足口病でも、口腔内の痛みの程度、発熱の有無、食欲、水分摂取量、年齢、普段の食習慣は一人ひとり異なります。
だからこそ必要なのは、身体の状態を理解し、その人にとって今必要な栄養支援を考える力です。
栄養コンシェルジュ®では、食品や栄養素を単独で覚えるのではなく、消化吸収、代謝、身体の仕組みなどを関連づけながら、栄養を実践へつなげる考え方を学びます。
知識を持つことから、その知識を「人に合わせて使えること」へ。
情報を検索すれば多くの答えが見つかる時代だからこそ、その情報を誰に、いつ、どのように活用するのかを判断できる専門性は、これからますます重要になります。
手足口病の流行時に知っておきたい5つのポイント
手足口病は、主に乳幼児に多く、夏季に流行する急性ウイルス性感染症です。
2026年7月6~12日の全国定点あたり報告数は9.12人となり、35都府県で警報レベルの目安を超えています。
多くは3~7日程度で軽快しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの重い合併症を起こすことがあります。
感染予防の基本は、丁寧な手洗い、タオルを共用しないこと、排泄物を適切に処理することです。回復後も便からウイルスが排泄される場合があります。
口の中の痛みで食べられない場合は、普段通りの「栄養バランス」に固執せず、まず水分摂取やその時点での食べやすさを考えることが重要です。
水分がとれない、尿が出ない、ぐったりしているなど普段と異なる状態がみられる場合は、医療機関への相談が必要です。
「正しい食事」を知るだけでは、本当の栄養支援にはならない
栄養学を学ぶと、「何を食べればいいのか」という知識は増えていきます。
しかし、実際に人を支える場面では、それだけでは解決できないことがあります。
食べたいけれど食べられない。
いつもの食事が負担になる。
体調や目的によって、優先すべきものが変わる。
だからこそ栄養の専門性とは、単に「正解の食品を知っていること」ではなく、身体の仕組みを理解し、その人の今の状態に合わせて選択肢を組み立てられることではないでしょうか。
栄養コンシェルジュ®は、栄養素や食品について学ぶだけでなく、身体の仕組み、消化吸収、代謝などを体系的に理解し、得た知識を実践につなげることを大切にしています。
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参考文献・公的資料
国立健康危機管理研究機構(JIHS).手足口病.感染症情報提供サイト.
国立健康危機管理研究機構(JIHS).手足口病(詳細版).感染症情報提供サイト.
国立健康危機管理研究機構(JIHS).IDWR 2026年第26号<注目すべき感染症> 手足口病・ヘルパンギーナ.2026.
厚生労働省.手足口病.
※2026年7月6~12日の全国患者報告数および都道府県別流行状況については、JIHSの感染症発生動向調査を引用した2026年7月22日時点の報道情報も参照しています。
Q1.手足口病の代表的な症状は何ですか?
手のひら、足の裏・甲、口の中などに水疱性の発疹が現れます。発熱は約3分の1にみられ、多くは38℃以下で、通常3~7日程度で軽快します。
Q2.手足口病は大人にも感染しますか?
主に乳幼児で流行しますが、大人が感染する可能性もあります。飛沫、接触、糞口感染で広がるため、家庭内でも手洗いなど基本的な感染対策が重要です。
Q3.手足口病で食事を食べないときはどうすればよいですか?
口内の発疹や潰瘍で食べにくくなることがあります。無理に通常量を求めず、水分摂取を優先し、口の状態に応じて刺激が少なく食べやすい食事を考えます。
Q4.手足口病で病院を受診した方がよい症状はありますか?
高熱が続く、嘔吐、ぐったりする、呼びかけへの反応がおかしい、水分がとれず尿が出ないなど普段と異なる症状がある場合は医療機関へ相談してください。
Q5.手足口病を家庭で予防するには何が重要ですか?
流水と石けんによる手洗い、タオルを共用しないこと、排泄物の適切な処理が基本です。回復後も便からウイルスが排泄されることがあるため注意します。
Q6.栄養コンシェルジュ®はどのような栄養資格ですか?
食品や栄養素の知識だけでなく、消化吸収や代謝、身体の仕組みを関連づけ、目的や生活背景に合わせて栄養を実践へつなげる力を学ぶ資格です。
Q7.栄養コンシェルジュ®と一般的な栄養資格の違いは何ですか?
知識の暗記だけで終わらず、「なぜその食事を提案するのか」を身体の仕組みから理解し、一人ひとりに合わせて実践へ落とし込むことを重視しています。
Q8.食品カテゴリーマップ®とは何ですか?
食品を主な成分や身体での役割から7つのカテゴリーに整理し、目的に応じた食品選択を分かりやすく考えるための栄養コンシェルジュ®の実践ツールです。
Q9.栄養コンシェルジュ®は保育士や子育て中の方にも役立ちますか?
子どもの食事や食育を「何を食べさせるか」だけでなく、身体の仕組みと食品の役割から理解できるため、保育・教育や家庭での健康づくりにも応用できます。
Q10.栄養学の初心者でも栄養コンシェルジュ®を学べますか?
栄養を初めて体系的に学ぶ方にも対応し、基礎から身体と栄養の関係を段階的に理解します。専門職だけでなく、自分や家族の健康に活かしたい方も学べます。
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日本栄養コンシェルジュ協会理事であり、北京オリンピック男子4×100mリレー銀メダリストの朝原宣治さんも栄養コンシェルジュ®を取得されています。競技生活で培われた経験に加え、栄養学を学び続けるその姿勢は、多くのアスリートやスポーツ指導者にとって大きな刺激となっています。現在では、競技力向上やコンディション管理を目的に、アスリートはもちろん、選手を支えるトレーナーやご家族などにも学びの輪が広がっています。
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