- レシピ
自炊をしていると、こんな経験はありませんか?
・レシピ通り作ったのに、味が決まらない
・調味料を入れすぎて、濃くなりがち
・なんとなく作れるけど「美味い」と言われない
実はその原因、調味料の量ではなく「入れる順番」かもしれません。
日本料理には、先人たちが長年の試行錯誤の中で確立してきた、味を失敗しにくくするための法則があります。
それが、調味料の順番として知られる「さ・し・す・せ・そ」です。
「さしすせそ」は、和食を美味しく仕上げるための調味料の投入順を、覚えやすくした語呂合わせです。
さ:砂糖
し:塩
す:酢
せ:醤油(古語:せうゆ)
そ:味噌
ポイントは、「この順番で入れると、味が入りやすく、ブレにくい」という点にあります。
これは感覚論ではなく、分子の大きさと浸透圧という、非常に合理的な理由に基づいています。
① 砂糖が最初の理由
砂糖は分子が大きく、食材に染み込むまで時間がかかります。
塩を先に入れてしまうと、食材の表面が引き締まり、後から入れた砂糖が中まで入らなくなる。
結果として、「表面だけ甘辛い」「中は味が薄い」という失敗につながります。
→ 甘味は最初に、じっくり入れるのが正解。
② 塩は“味の通り道”を作る
塩は浸透圧が高く、食材の水分を引き出す性質があります。
これにより、後から加える調味料が中まで入りやすくなる。
→ 塩は味付けというより、味を通すための下準備と考えると理解しやすい。
③ 酢は途中で入れる
酢は酸味と香りをつける調味料。
早く入れすぎると、加熱で酸味が飛びやすくなります。
→ 味の方向性が見えた段階で加えるのがベスト。
また、酢には疲労回復に関わる働きもあり、仕事終わりの食事にも相性が良い調味料です。
④ 醤油は「最後の決め手」
醤油は塩味だけでなく、香りとコクを与える調味料です。
そのため、香りを飛ばさないよう、後半に加えるのが基本。
煮物などでは、途中と仕上げの2回に分けて使うことで、「しっかり味+香り」の両立ができます。
⑤ 味噌は“煮立たせない”
味噌は非常に香りが繊細な調味料。
沸騰させると、一気に風味が落ちます。
→ 火を弱めてから溶かし入れる。これだけで、味噌汁や煮物の完成度が変わります。
この順番を覚えるメリットは、はっきりしています。
・味が安定する
・調味料を入れすぎなくなる
・レシピを見なくても応用できる
つまり、料理が“感覚”から“再現可能なスキル”になる。
筑前煮、肉じゃが、煮魚など、「和食っぽい料理」が苦手な人ほど、この順番を意識するだけで成功率が一気に上がります。
調味料の順番を守ることで、
・無駄な砂糖・塩を使わずに済む
・素材の味を活かせる
・結果的に塩分・糖分の過剰摂取を防ぎやすい
という栄養面のメリットもあります。
「健康のために薄味にしよう」と我慢するより、理屈で美味しく作った方が、結果的に体にも良い。
日本料理は、多くの調味料を使う分、組み合わせを間違えると味がぶつかります。
その中で先人たちが残してきた 失敗しにくい “型” が、「さしすせそ」。
これは単なる語呂合わせではなく、日本の食文化が残した、料理の設計図とも言えます。
料理が得意でなくても構いません。
・調味料の量を減らす
・高級食材を使う
その前に、「入れる順番」を守る。
それだけで、料理は驚くほど安定します。
合理的に、無駄なく、美味しく。それが「さ・し・す・せ・そ」の本質です。