脚気(かっけ)とは何か
脚気は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によって起こる疾患です。
ビタミンB1は、水溶性ビタミンB群の一種で、
・糖質(グルコース)代謝
・エネルギー産生
・神経機能の維持
に深く関与しています。
具体的には、解糖系で生じるピルビン酸や、クエン酸回路(TCA回路)のα-ケトグルタル酸の代謝反応において、補酵素として不可欠な役割を果たします。
そのため、ビタミンB1が不足すると、
・全身倦怠感
・食欲不振
・末梢神経障害(しびれ)
・心不全やむくみ
といった症状が現れ、重症化すれば生命に関わることもあります。
なぜ現代でもビタミンB1不足が起こるのか
脚気は歴史的に、白米中心の食事が原因で流行した疾患として知られています。
米のぬかや胚芽にはビタミンB1が多く含まれますが、精米によってそれらが除去されるため、白米のみの食生活では不足しやすくなります。
現代においては、
・揚げ物や精製穀類が多い
・野菜・豆類・海藻が少ない
・甘い飲料や菓子類の摂取が多い
・外食・弁当・加工食品への依存
といった食生活が重なることで、無自覚のビタミンB1欠乏が起こる可能性があります。
今回の事例も、特別な病気というより、栄養の偏りが続いた結果として理解できるケースといえるでしょう。
栄養を“説明できる専門性”という視点
栄養学の知識は、知っているだけでは十分とは言えません。
・原理原則に基づいて説明できるか
・エビデンスを踏まえて判断できるか
・社会で起きている出来事を栄養で読み解けるか
こうした力が、これからの栄養専門職には求められます。
その一つの学びの選択肢として、栄養コンシェルジュのように「判断と説明」を重視した栄養資格が注目されています。
まとめ
脚気は、過去の病気でも、特殊な環境だけで起こる疾患でもありません。
現代の食生活においても、条件が重なれば発症する可能性があります。
今回のニュースは、栄養を正しく理解し、評価し、説明する力の重要性を改めて私たちに示した事例といえるでしょう。