- 食文化
こんにちは!管理栄養士で調理師の土生亜衣です!
皆さん、調味料の順番「さしすせそ」はご存じですか?実は調味料を使う順番を意識するだけでお料理がグッと美味しく仕上がるんです!
本日はお料理をより美味しく作るために意識したい調味料の使い方についてお話します☆
調味料のさ、し、す、せ、そ。よく耳にする言葉ですが、実はこれ、調味料を入れる順番のことを指しているのです。
何気なく使っている調味料ですが、使う順番をおさえればお料理をより美味しく仕上げることができ、少ない調味料で食材にしっかりと味を染み込ませることができます。
糖分や塩分のとり過ぎに気を付けている方でも素材を活かした作り方ができるので、知っておくと便利です。
調味料のさしすせそは、料理の基本となる調味料の頭文字と使う順番を覚えやすくするために作られた語呂合わせのことです(下部PDF参照)。
「さ= 砂糖」→「し= 塩」→「す= 酢」→「せ= 醤油(古語:せうゆ)」→「そ= 味噌」
基本の調味料をこの順番で入れると、お料理(和食)が美味しく仕上がる仕組みになっています。
これは《分子の大きさ》と《浸透圧》にポイントがあります。
①さ= 砂糖:砂糖の分子は塩に比べて大きいので、食材を煮込む時に塩を先に加えてしまうと、砂糖が食材に染み込まず、表面だけが甘辛く仕上がってしまいます。浸透圧が低いので時間をかけて、じっくり染み込ませていくことが大切です。
②し= 塩:塩は浸透圧が高く、素材の水分を引き出すので、その後加える調味料の味の染み込みを良くします。
③す= 酢:酢は酸味や風味をつけてくれます。調理の段階で始めに加えると酸味が飛びやすいこともあるので、途中で加えます。酢は疲労回復効果も期待できるので、これからの季節には、積極的に取り入れたい調味料です。
④せ= 醤油(せうゆ):醤油は味付けと風味付けに使われます。風味を活かしたいので最後に入れます。煮物などの時は長時間煮込むこともあるので、2回に分けて最後に風味づけとして入れることがあります。
⑤そ= 味噌:味噌も香りを活かしたい調味料です。最後に入れて煮立たせないことがポイントになります。お味噌汁の際にも、別で味噌を溶かしてから入れると風味を損なわずに仕上げることができます。
調味料の順番「さしすせそ」は、日本料理(和食)の味を引き立たせます。
煮物料理の筑前煮や肉じゃが、煮魚などを作るときに調味料の順番を意識すると良いですね。調味料を入れてからの時間差も守ると、よりしっかり味が染み込んで美味しく仕上がります。
日本料理は多くの調味料を用いて作られるので、時には調味料同士がぶつかり合って風味を損ねてしまうことがあります。反対に調味料同士がお互いの風味を高めたり、味をまろやかにするなど大変複雑です。
そんな中、先人たちが試行錯誤し、レシピとして残してきた型(基礎)は食文化として今も引き継がれている。「さしすせそ」もその一つで私たちが大切にしていきたい日本の食文化ですね。
1つ1つの調味料の個性を理解する事で使い方の幅も広がり、味のバランスもぶれずにお料理を仕上げることができます。
調味料は味を調えるためだけでなく、日本の食文化の一つとして大切にされてきました。使うポイントをしっかりとマスターすれば、美味しい料理で大切な人がもっと笑顔になり、私たちの食文化も継承され続けますね。
読んでいただきありがとうございました!
【TEXT:土生亜衣 編集:廣瀬直樹】