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近年、日本茶、とりわけ抹茶の海外需要が急拡大しています。財務省「貿易統計」の速報値および関連報道によれば、2025年の緑茶輸出額は約700億円規模に達し、過去最高水準となったとされています。(※最終的な確報値は財務省公表データをご確認ください。)特に粉末茶(抹茶を含む)の輸出比率が拡大しており、世界的な抹茶需要が背景にあると分析されています。
本記事では、
・抹茶輸出拡大の構造
・国内市場への影響
・抹茶の栄養成分(公的データ)
・抗酸化成分のエビデンス
を整理します。
1. ウェルネス市場の拡大
欧米市場では「抗酸化」「植物由来」「ナチュラル」といった価値観が拡大。抹茶はその文脈に合致します。
2. 粉末全摂取という特性
煎茶は抽出飲料ですが、抹茶は茶葉を粉末にして丸ごと摂取します。
この摂取形式が栄養密度を高めています。
3. SNSと視覚的ブランド力
「抹茶グリーン」は視覚的訴求力が高く、若年層を中心に人気を拡大しています。
世界的需要拡大に対し、生産拡大は即座には対応できません。
茶樹の育成には数年を要します。そのため、
・原料価格上昇
・カフェ原価上昇
・中国産・韓国産抹茶の補完的導入
といった動きも報じられています。
供給体制の整備が課題となっています。
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より
※下記成分は100gあたりの数値ですが、実際の摂取量は1回約2g前後です。
エネルギー:324 kcal
たんぱく質:30.6 g
脂質:5.3 g
炭水化物:38.5 g
食物繊維:38.5 g
カリウム:2700 mg
カルシウム:420 mg
鉄:17.0 mg
βカロテン当量:29000 μg
ビタミンC:60 mg
抹茶は茶葉を全量摂取するため、抽出飲料より栄養密度が高いという特徴があります。
■ カテキン(EGCGなど)
エピガロカテキンガレート(EGCG)はポリフェノールの一種。
in vitroおよび一部ヒト研究で抗酸化作用が報告されています。
ただし、特定疾患予防効果を断定する長期大規模介入試験は限定的であり、医療効果を確定的に示すものではありません。
■ L-テアニン
リラックス関連脳波(α波)増加との関連が報告されています。
カフェインとの相互作用も示唆されています。
抹茶そのものと、
・シロップ
・砂糖
・ホイップ
を加えた抹茶ラテは栄養構成が異なります。
健康イメージと実際のエネルギー量は区別が必要です。
・緑茶輸出額は速報値ベースで約700億円規模に拡大
・粉末茶(抹茶)の比率が増加
・抹茶は茶葉全摂取により栄養密度が高い
・カテキンの抗酸化作用は研究報告あり
・疾患予防効果は確定的ではない
流行ではなく、構造で理解することが重要です。
抹茶バブルを、「スーパーフードですね」で終わらせるか、「EGCGの作用機序は?」と整理できるか。
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・食品成分表の読み方
・機能性表示の見抜き方
・エビデンスの階層理解
まで体系的に学びます。
ニュースを読む側から、ニュースを解説する側へ。
参考資料
財務省「貿易統計」緑茶(HS0902)
農林水産省 日本茶輸出関連資料
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
各種カテキン研究(査読論文)
Q. 抹茶は毎日飲んでも安全?
→通常摂取量で重大な健康被害を示す確定的証拠は確認されていません。ただしカフェイン過剰は注意。
Q. 抹茶はダイエットに効果がある?
→脂肪燃焼を断定する一次情報は限定的。生活全体の文脈が重要。
Q. 抹茶と煎茶の違いは?
→抹茶は茶葉全摂取、煎茶は抽出。