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管理栄養士と学ぶ免疫の基礎① ~自然免疫と獲得免疫~【栄養コンシェルジュ監修】

管理栄養士で栄養コンシェルジュの廣瀬直樹です。
本記事のタイトルでもある「免疫(めんえき)」とは、私たちの体に備わっている「生体防御機能」のことで、体に侵入してきたウイルスや細菌(いわゆる異物)から身を守る仕組みです。この免疫が低下すると、普段はかからないような感染症にかかることもあるので、免疫を高める生活管理(食事、運動、睡眠、ストレスなど)はとても大切になります。
本記事では免疫について、その基本から応用、食事管理までシリーズ化してお伝えします。

迅速に動き、最前線で体を守る白血球!自然免疫とは?

体に侵入してきたウイルスや細菌など異物から身を守る仕組みとして、免疫機構が備わっていますが、免疫機構は「自然免疫」と「獲得免疫」の2つが知られています。

このうち、自然免疫はいち早く異物を発見してやっつけてくれる免疫系です。

 

【主な自然免疫】

マクロファージ:白血球の一種。私たちの体の中に異物(悪者)がいないかパトロールしており、見つけ次第貪食(逮捕)します。さらに異物を他の免疫細胞に提示(通報)して侵入したことを知らせます。

好中球(こうちゅうきゅう):白血球の一種。白血球の大部分を占めており、侵入してきた細菌を貪食し、分解する食作用をもちます。

※傷口にできる膿(うみ)は、異物との戦いで死んだ好中球の死骸です。

NK細胞(ナチュラルキラー細胞):白血球(リンパ球)の一種。病原菌やがん細胞を発見するためパトロールしており、見つけ次第、単独で攻撃します。natural killer「生まれつきの殺し屋」であり高い殺傷力を誇ります。

 

自然免疫である上記「白血球」が機能して、体に侵入してきたウイルスや細菌など異物を見つけ出し、私たちの体を守ってくれているのです。

ウイルスや細菌を記憶して攻撃する獲得免疫とは?

獲得免疫は、自然免疫で対応しきれなかった異物を攻撃する後天的な免疫です。侵入してきた異物にあわせて抗体(武器)をつくり、異物を特異的に攻撃(狙い撃ち)します。ただし、抗体をつくるのに時間がかかるので、自然免疫よりも反応まで時間がかかってしまいます。

獲得免疫は、身体に侵入した異物の情報を学習して記憶する性質があるので、同じ異物が侵入した場合、素早く反応してやっつけてくれます

※一度麻疹(はしか)にかかると二度とかからないことや、予防接種の効果も獲得免疫系の働きです。

 

【主な獲得免疫】

ヘルパーT細胞:リンパ球の一種。マクロファージと連携して免疫を動かす司令塔。キラーT細胞に命令を出したり、B細胞を活性化させます。

B細胞:リンパ球の一種。抗体(武器)をつくって、異物を攻撃します。

キラーT細胞:リンパ球の一種。細胞障害性T細胞とも呼ばれており、感染された細胞やがん細胞を攻撃します。

 

獲得免疫が動き出すには少し時間がかかりますが、最前線で働く「自然免疫」と、この「獲得免疫」の2つの免疫機構で私たちの体は守られているのです。

管理栄養士と学ぶ免疫の基礎まとめ

免疫は私たちの体を守る重要なシステムです。

免疫システムは加齢、食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足、ストレス過多など環境因子により低下する恐れがあることから、生活習慣の見直しはとても大切です。

免疫の基礎②では、免疫力をアップする栄養成分や運動習慣などを解説する予定ですので、またご覧いただけますと幸いです。

 

【TEXT:廣瀬直樹】

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廣瀬 直樹【Hirose Naoki】

管理栄養士、2ッ星栄養コンシェルジュ®、スポーツ栄養実践アドバイザー®
【プロフィール】大学を卒業後、病院の管理栄養士として生活習慣病、腎・肝臓疾患、外科領域の治療や予防的管理(NutritionSupportTeam)に取り組み、学会や論文として報告してきた実績を持つ。
現在はOriginal Nutrition(株)と栄養コンシェルジュ協会の運営に関わり、スポーツ専門学校での栄養学講師、行政と連携した乳幼児健診やシニアの栄養管理、アスリートサポートや執筆活動に取り組んでいる。
様々な専門家との連携による相乗効果で、目的に応じた結果の最大化を誰もが享受できる社会を目指し活動中。